Episode 024
μの誕生会(後編)

music:[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]


前回までの『L.D.C.』

 花火大会の日に、遥と光はアルと共に微かな魔力を感じて、空き地の崖にある洞穴へ潜入した。しかし、そこはセルがアル抹消のために仕掛けた罠だった。セルによって強化された魔獣にアル達は立ち向かうが、洞穴が崩れ出した。
 
 アルは遥と光を脱出させ、自分は犠牲になって崩れ去る洞穴に残った。龍助と朱里が洞穴へ辿り着くが、時は既に遅く、応急処置の結界を張って脱出するしかなかった。朱里たちが空き地を走り出た時、時限式か遠隔操作のセルの結界が浮かび上がり、空き地ごと爆発して地面が陥没した。
 
 遥と光は、自分達のためにアルが犠牲になった事でショックを受けて心を痛めた。朱里が事態を魔界へ報告すると、急遽、遥の家族と魔界の兵士が人間界へ派遣されたのだった...。

 花火大会の翌朝早く、遥は花束を持って空き地の前へ来たのだった。
 そこには、一人たたずんで電子バイオリンを弾くM.がいた。M.の武器のロッドはbreak throughさせると電子バイオリンの様な形にフォームチェンジする。ゆっくりと戦士を称えるレクイエムの曲を奏でていた。遥は黙ったまま悲しみに耐え、その演奏を聴いていた。その小さな肩は小刻みに震えていた。
 演奏が一区切りすると、M.がため息をつく。そして、振り返り遥に挨拶をする。遥が花を供えてから手を合わせてしばらくすると、M.に昨夜起こった事を話した。予めリコからも調書は取っていたが、遥からの情報も収集した。
 
 元気の無い遥を見つめながら、M.がアルの事を思い出しながら言う。
「そう…。アルはやっぱり逝ったの…。秘めた信念を貫いて大切な人を守って…。引き際まで良い男だったのね。嫌になっちゃうぐらい。」
「ごめんなさい…。あたしなんかのために。無茶させてしまって。」
 深く頭を下げたまま遥が責任を感じて謝るが、M.はにっこりと微笑んで遥に言った。
「あんたのせいじゃない。それにアルは今もミーの心の中に生きているわ。遥の心にも。そうでしょう?きっとあなたが本当に困った時に呼んだら、相変わらずふざけた感じで励まして元気をくれる。」
「…。ごめんなさい…。」
 遥がM.の胸の中で泣き崩れた。遥の姿が見えなくなって心配した朱里と龍助と遥の母が空き地に探しに来て二人を目撃する。少し遠くから遥達を見守りながら三人は見守るしかできなかった。

イラスト:hata_hataさん

 M.はアルが一緒に前回の遺跡調査の任務に就いた時に言っていた言葉を思い出す。
 
「前に進まなくちゃ、今は無かった。そして、これからも明日を、未来を迎えるためには、辛くても一歩一歩前に進むんだ。例え、独りでも。」
 
 しかし、M.はこう思った。
「前に進まなくっちゃ。アルは一人じゃないから。ミーや遥達が、仲間がいるから。そして、彼の意思は受け継がれていく。例え、敵が強大であっても。」
 
 遥が少し落ち着くと、朱里達も遥とM.の所へ行って空き地に向かって手を合わせて祈った。M.はしばらくの間、また電子バイオリンでレクイエムを奏でたのだった。
 
 
 遥達と別れて、家に帰った龍助と朱里はそれぞれの部屋で少し睡眠をとる事にした。朱里がリラと共に部屋に入ると、由依がすやすやと眠っていた。
 セルの罠にかかってアルが抹消された突然の事件で忙しかったが、由依の寝顔を見ながら由依を天界へ返す様にミストスに言われた事を思い出す。朱里が人間界で拾った卵が魔界で孵化し、今まで家族として大切に育ててきたが、もしクラシスが言うように由依が天界の者であれば、彼女にとって本当の家族に返すべきではないかと。しかし、別れを考えるととても悲しくなった。
 由依が少し寝返りを打って足でタオルケットを蹴飛ばしたので、朱里がそっとかかけなおしてやる。そして、由依と遊ぶ時に時々歌う曲を子守唄の様に朱里は歌いだした。その曲は電子メール等で使う顔文字が沢山登場する[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]だった。由依が最近お気に入りの歌でワクワク楽しい感じで散歩の時等にも由依は口ずさんでいた。
 
「わたしと×2 一緒に遊ぼうよ
慌て者だけど... 歌が好きで... ヾ(´▽`;)ゝ 
今日も元気に飛び出そう!
みんなも口ずさもうよ この歌を... (^0^)θ~♪」
 

イラスト:hata_hataさん

 朱里の歌を聴きながら、リラが由依の足元のベットで小さく丸まって静かに眠ってしまう。
 
「お気に入りの帽子をかぶったら
「今から何しよう?」 \(@゜Д゜@;)?
 
「楽しくてワクワクすることが良い!」
「それなら...お絵かきしよう!」 ( ̄▽ ̄)/
 
空に虹を描き込んだら 会いに行くよ
もう少し待っていて... O(〃⌒∇⌒〃)O
 
わたしは×2 歌を歌いながら
みんなの元へ... 虹を渡るよ... 。。。(((^∀^)
輝いている大空へ!
みんなの優しい声も 響かせて... \(^o^)/」
 
 ベットで由依に添い寝しながら歌っていると少しずつ心が安らいできて、朱里も眠りに落ちていった。眠りに落ちた後で、朱里の『L'aile du coeur(心の翼)』に、淡いkhakiのクリスタルが輝いた。そして、『L.D.C.』から声がしたのだった。
「…朱里…聞こえますか?…朱里?…大丈夫ですか?…」
 しかし、朱里は前日の花火大会や遥達の事件や由依の件等で疲れ切っていて、『L.D.C.』からの呼びかけの声に気が付くこと無く深い眠りに入っていた。しばらくすると、『L.D.C.』からの音が擦れてノイズになり、やがて聞こえなくなる。
 
 
 それから数時間後、由依が目覚めた。両手を伸ばして背伸びすると足元に丸まっていたリラに足が当たって軽く蹴飛ばすが、いびきをかいているリラは眠ったままだった。
「あ、ごめん、りら。あれ、じゅり、かえってきたんだね。おかえりなさい。おふとんないと、かぜひくよ。」
 由依の横で添い寝をしていた朱里に気づき、由依が自分のタオルケットを朱里にかけてあげる。タオルケットを動かした時にリラが眠ったまま転がって落ちそうになったので、由依がリラを引っ張ってベットから落ちない様に朱里の側に移動させてから、タオルケットの端をかけてあげた。
「これでよし。」
 あくびをしながら、由依が朱里の部屋を出ようとする。すると、ふと、以前アルからプレゼントしてもらったネックレスの『星屑のかけら』が目に入る。
「そうだ、きんぎょさんにもみせてあげよう。」
 『星屑のかけら』を手に取って、由依が首元に着けて2階にある朱里の部屋から金魚鉢のある1階へ降りていく。昨日、花火大会の出店の金魚すくいでもらった金魚を、家に帰ってから龍助の母に金魚鉢に入れてもらったのだった。以前、龍助が金魚を飼っていたので、金魚鉢とカルキ抜きの錠剤や乾燥ミジンコの残りがちょうどあったのだった。金魚鉢には由依の1匹,龍助の1匹,朱里の3匹の合計5匹が、気持ち良さそうに泳いでいる。
 
「おはよう。きんぎょさん。このねっくれす。ゆいがもらったんだよ。きれいでしょ?」
 金魚鉢に向かって由依が見せるが、金魚は関係なく泳いでいた。
「う~ん。おなかすいたのかな?」
 顔を金魚鉢にくっつけるようにして眺めてから、龍助の母に昨日教えてもらった様に小さなスプーンで1さじ分、金魚に餌をあげてみる。一瞬、金魚は音に驚いてびくっとするが、水面に餌の気配を感じて上がってきてパクパクと口をあけて餌を食べ始める。
「めしあがれ。あんまりあげると、たべすぎになっておなかをこわしちゃうからあさごはんはこれだけね。」
 金魚達のママになった様な口ぶりで由依が嬉しそうに金魚を眺めて鼻歌を歌う。ふと、由依が金魚鉢にうっすら反射して映り込んだ自分の髪が白っぽくなっている様に見えた。
「あれ?へんなの。」
 目を擦って見直すが、いつもの髪色の自分が映っていた。
 
「なにしてあそぼうかな…?しりとり,おえかき,けんけんぱ,ままごと,ひーろーごっこ…。そうだ、おうたにしようかな?」
 いつもはリラやリコや朱里達と遊ぶのだが、疲れてぐっすり眠っている朱里達を起こすのも可愛そうだと思い、由依は[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]の歌を歌いだした。
 
「そろそろお腹がすいてきたよね
「今度は何しよう?」 \(@゜Д゜@;)?
 
「美味しくてドキドキすることが良い!」
「それなら...しりとりしよう!」 ( ̄¬ ̄)/
 
ラーメ「ン」! (@≧∇≦@)/(by.わたし)。。。
次が続かないよ。。。∑(-д-;)(by.あなた)
「コ」ー「ラ」...「ラ」ン「チ」
...「チ」ョコがやっぱり良いよ!(@´▽`@)
 
わたしは×2 美味しいものが好き
たくさん食べたら...口が四角...(°□°;)
ご馳走さま! と 言ってから
お礼に歌を歌うよ ありがとう! m(_ _)m」
 
 仲良く餌を食べている金魚を見ながら、由依が歌を歌っていると由依のお腹がグーっと小さい音がする。お腹をさすりながら、由依が舌を出す。
「きんぎょさんもくいしんぼうだけど、ゆいもおなかすいた。そうだ、りゅうすけままにさんどいっちつくってもらってたべよう。それから、はるかおねえちゃんとりことあそぼう!」
 
 
 由依は龍助の母親にサンドイッチを作ってもらい一緒に朝ご飯を食べると、お迎えのマンションの遥の家へ遊びに行くと伝えてから家を出掛ける。遥の住んでいるマンションまではすぐなので、一人で何度も遊びに行っていた。

イラスト:hata_hataさん

 スキップをしながらエントランスのオートロックの呼び出しブザーの所へ来る。部屋の番号を入力して、呼び出しブザーを押すと、遥の母が応答する。
「あれ、はるかちゃんのまま…?」
「あなたは、由依ちゃんかしら?こんにちは。今開けるわね?あら、開錠するにはどうしたら良いのかしら?オーランド、ちょっと来て頂戴。ハルカリの小さなお友達が遊びに来て下さったの。開錠して差し上げて。」
「はい、私、オーランドがすぐお迎えに参ります。」
 遥の部屋の開錠ボタンを押せばすぐ開くのだが、オーランドが客人としてエントランスの所まで迎えに出る。そして、由依と挨拶をした後で手を繋いで部屋まで連れてきた。以前、由依が朱里達と魔界を旅立つ前日に遥の家に一晩お世話になった事があり、なんとなくオーランドと遥の母のシェリルの事は由依も覚えていたのだった。
 
 
 由依が部屋に入ると、リビングでシェリルや医師のエドワード,そしてM.が話をしながら座ってお茶をしていたのだった。遥は、現場からM.と帰宅したのだが、ベットのある部屋の片隅で膝を抱えて落ち込んでいた。そして、光は遥のベットの横の床に背を向けた状態で横になっていた。目が覚めてはいたが、遥の様子にいたたまれなくて眠っている振りをしていたのだった。
 
 ドアは開いていたが、シェリルがノックして遥に声をかける。
「ハルカリ。由依ちゃんが来てくれたわよ。」
「……。」
 遥が黙ったままなので、横にいたリコが気を利かせてドアの付近に立っている由依の側に飛んでいく。

イラスト:hata_hataさん

「由依ちゃん。いらっしゃいませ。」
「はるかおねえちゃん?どうしたの?」
 由依が遥の様子を心配して、リコを頭の上に載せてから部屋に入り、遥の側に座り込んだ。そしてうつむいたままの遥の顔を下から覗き込む。遥の顔には涙が今にも溢れそうになっていたのだった。何度も涙した後が分かる程、目元も腫れぼったくなっていた。幼い由依に心配をかけたくなかったのだが、遥はアルの事を考えると悲しくて口を開くことが出来ずにいた。
 すると、そっと由依が遥の左手を取って座ったまま手を握って寄り添った。由依には遥にとって何か悲しい事があったという事だけは感じとれた。幼いなりに遥を元気にしたいと思い、由依なりに考えて手を繋いでみたのだった。
 不思議と遥は心が癒されて、少し胸の痛みが和らいでいくのに驚いていた。由依の不思議な優しい温かさを感じながら遥も由依に寄り添った。一人っ子の遥にとって、「もしあたしに妹がいたらこんな感じなのかな…?」と、心の中で呟いた。
 
 その様子を見て、シェリルは由依に遥を任せてみようと、リコを呼ぶ。
「私は美味しいお茶とお菓子を持ってくるわね。リコちゃん手伝って頂戴。」
「はい、かしこまりました。由依ちゃん、遥様をお願いします。」
 リコがそっと小さな翼で飛んで、シェリルと部屋を出ていった。
 
 
 由依の小さな手の感触を感じながら小さな声で遥は話し出す。
「…あたしね。昨日、大切な仲間を失ったの…。ゆ…い…ちゃんはアル…って…いうお兄さん、覚えてる?」
「うん。おぼえてるよ。」
「あたしの身代わりになって…。アル…消えちゃったんだ…。」
 それを聞いて、眠ったふりをしている光も唇をぎゅっと噛む。
「…。げんきだして。あるおにいさんは、またくるよ。きっと。だって、はるかおねえちゃんのこと、だいじだったもん。それに、ゆいがおおきくなったらだんすするやくそくしたもん。」

イラスト:hata_hataさん

「…ごめんなさい…。」
 遥が由依の言葉に謝ると、由依が繋いでいた手を放して、自分に着けていた『星屑のかけら』を外した。そして、遥の首にかけてあげる。
「…?これは?『星屑のかけら』…?」
 アルが以前、由依にプレゼントした『星屑のかけら』を思い出す。
「うん。そうだよ。ゆいがあるおにいさんにもらったんだけど、いまは、はるかおねえちゃんにかしてあげる。だからげんきだしてね。ゆいはげんきなはるかちゃんがすき。きっとあるも、じゅりも、りゅうすけも、りらも、りこも、はるかままもも、みんなそうだよ。だいじょうぶ、これをもっていたら、きっとあるおにいさんが、だんすのやくそくであらわれるよ。」
「ごめんね…ゆいちゃん。ありがとう…。」
 遥が由依の優しさに触れ、『星屑のかけら』を見つめながらアルを感じ、彼との思い出を回想しながら涙すると、由依が再び両手で遥の左手をぎゅっと握った。そして、にっこり笑ってこう言った。
「だいじょうぶだよ。はるかおねえちゃん。そうだ、はるかおねえちゃんがげんきになるように、うたをうたってあげるよ。」
 そう言うと、由依が[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]を途中から歌い始めた。
 
「元気に両手を振って...
素敵な想いを届けに行くよ...今すぐに...(/・0・)
 
 
わたしと×2 みんなで歌おうよ
友達の輪を作って... 繋ごう... \(@^◇^@)/\(^◇^)/
笑顔があふれていくよね!
どんどん楽しくなると うれしい~♪ ヘ(^∇^ヘ)」
 
 遥も小さな声で由依と一緒に口ずさむ。
 
「わたしは×2 美味しい物が好き
猫舌で熱いものは... 苦手... (>_<)
頭を撫でて貰えると
なんだかうれしくて また口ずさむ~♪ (^O^)♪」
 
 歌に合わせて遥が由依の頭を撫でてあげると、由依が嬉しそうにする。遥も由依に少し元気をもらったのだった。眠った振りをしていた光も、由依の歌を背中越しに聞いて「いつまでも立ち止まっていては駄目なんだ。何をすれば良いのか分からないけど、落ち込んでいないでアルのためにもとにかく前に進まなければ。せっかくアルが助けてくれたんだから。」と、思い始めていた。
 
 
 アップルティーの香りがして、シェリルとリコがお茶とティラミスを持って部屋に入ってくる。
「さぁ、どうぞ。お茶とお菓子よ。なんだか、楽しそうなお歌が聞こえたけど、由依ちゃんは歌が好きなの?」
 紅茶のカップとティラミスの皿を渡しながらシェリルが由依に微笑む。
「うん。すき!はるかままは?」
「私も好きよ。内緒だけど、ママの歌にパパは惚れたのよ。」
 それを聞いた遥がびっくりして尋ねる。
「え!そうなの、ママ?」
「ふふふ。」
 シェリルが恥ずかしそうに笑うと、遥も由依も小さく笑った。
 
 フォークを使ってティラミスを食べている由依の左側のほっぺにクリームがつく。それを見たシェリルが人差し指でふき取ってなめる。
「あらあら。由依ちゃんのほっぺにクリームが。まぁ、とても美味しいわね。そういえば、遥達が幼い頃もこんな事があったわね。ふふふ。」
「え、そうだったかな?ママ、恥ずかしいよ。」
 遥とシェリルのやり取りを見ながら、由依は母親の存在をとても眩しく感じるのだった。自分の母親がもし存在していたら、こんな感じなのかも、と思い、ミストスが天界に由依の家族がいると教えてくれた事を思い出す。
「…ママ…。」
 小さく由依がつぶやいた。
 
 

イラスト:hata_hataさん

 その頃、朱里が目覚めた。疲れでぐっすり眠ってしまった事に気づき、由依にかけてあげたはずのタオルケットを自分にかけてもらっている事で、はっとする。
「由依ちゃんは、何処?」
 部屋を見渡すが、ベットにはリラが丸まって寝ているだけで由依の姿は無かった。慌てて、朱里は起き上がり部屋を出る。そして、龍助の部屋の前に行きドアをノックする。
「龍助君!由依ちゃんはそこにいる?」
 すると、龍助が起きてきてパジャマのままで部屋のドアを開けた。
「いや?僕一人だけど。おはよう、麻宮さん。」
「由依ちゃんがいないの。何処かしら?」
 そわそわしている朱里の肩に両手を置いて落ち着く様に言う。
「まぁ、ちょっと落ち着いて。下に行って、母さんに聞いてみよう。」
「うん…。」
 朱里と龍助が階段を下りてキッチンに行くと龍助の母が料理をしていた。由依の事を尋ねると、金魚に餌を上げた後で遥の家に遊びに行ったと教えてくれる。
 
「ね?遥ちゃんの家だよ。安心して、麻宮さん。」
「そ、そうね…。遥ちゃんの家だったらリコちゃんが面倒を見てくれるわ。」
「それに、遥ちゃんと光が元気になるきっかけにもなるかも。僕らも後で二人の様子を見に行ってみよう。」
 龍助が浮かない表情の朱里に言う。遅い朝ご飯を食べてから、着替えて遥のマンションへ向かう。エントランスに着いた時に龍助が朱里に声をかける。
「麻宮さん?そんな顔していたら、由依ちゃんも心配するよ。それに遥ちゃん達を僕達が元気づけないといけないんだよ。僕もアルの事やミストスさんの言っていた事で困惑しているけど、元気出そう、って決めたんだ。麻宮さんも一緒に…。」
「うん…。分かったわ。」
 朱里がうなずく。どうしても、由依の事で不安になってしまうが、それは龍助も同じ事で、何よりも由依自身が一番心の中で迷っているんだろうと朱里は思い、無理をして笑顔で微笑んでみる。
「そうだ。昨日、話していた由依ちゃんのお誕生会の準備をしましょう。由依ちゃんには内緒で。びっくりさせて喜ばしてあげたいわ。」
「うん。僕も、今、それを言おうと思ったんだ。遥ちゃんも光もお誕生会の準備に誘えば、気を紛らわせるかも。僕は由依ちゃんのお誕生会で簡単な演奏をしようかと思ってるんだ。光も一緒に演奏して、由依ちゃんのハッピーバースデーソングをみんなで歌いたいなぁ、と。」
「そのアイデア、素敵ね。由依ちゃんは歌が好きだから、きっと喜ぶわ。」
 朱里も少し元気になる。由依の誕生会の事で、龍助や朱里も元気をもらった様な感じだった。
 オートロックの呼び出しで、遥の部屋を指定すると医師のエドワードが出て、開錠してくれる。
 
 執事のオーランドが龍助達を案内して、遥の部屋に入ると朱里が由依を見つける。
「由依ちゃん。」
「あ、じゅりだ!さっき、はるかままにけーきもらったんだ。おいしいよ。」
 無邪気な笑顔で由依が手を振る。その姿を見て、朱里はほっとしたのだった。由依は、遥の前で画用紙にクレヨンでお絵描きをしていたところだった。
「何を描いているの?」
「はるかちゃんとりことはるかちゃんのかぞく。それから、こっちにはゆいと、じゅりとりゅうすけままとぱぱ。ちゃんとりゅうすけとりらもかいてるよ。」
 幼稚園児のお絵描きの様な感じだったが、沢山の人物が手を繋いで輪になっている絵だった。
「あら、上手ね。遥や朱里ちゃんが幼い頃よりもお絵描き上手だわ。カラフルで何よりも生き生きしてるわね。見ているだけでワクワクする感じ。」
 シェリルが龍助達にもお茶を持ってきてくれる。光が起きて隣の部屋で、M.達と話しているのを見た龍助は、ケーキを食べた後で紅茶のカップを持って隣の部屋に行く。
 

イラスト:hata_hataさん

「光、M.さん、こんにちは。光、少しは眠れた?」
「おはよう。…正直…眠れなかった…。でも、由依ちゃんに元気もらったから、前向きに行こうと思うんだ。」
「そうね。ミーもそれが良いと思う。アルもそれを望んでいるはずよ。」
 光とM.の話を聞いて、龍助がうなずく。由依の存在が光達を少し元気にしてくれたんだ、とうれしい気持ちになった。
「そうだ、あのね。ちょっと提案があるんだ。来週の休みに由依ちゃんのお誕生会をしようかと思ってるんだ。こんな時なんで不謹慎かもしれないけど、こんな時だからしたいなぁ、って思うんだ。色々考えるところもあって。」
「お、それは、びっくりパーティー?」
 光が尋ねると、龍助がほほ笑む。
「勿論。当日まで由依ちゃんには内緒。卵から生まれた由依ちゃんの正確な誕生日って、分からないんだけど、何か演奏でもしてハッピーバースデーソングでもみんなで歌えると良いなぁ?って麻宮さんと話していたんだ。」
「ミーも参加して良いかしら?バイオリンで参加できる。一度、龍助僕ちゃんと一緒に演奏もしてみたかったの。」
 横で聞いていたM.が乗り出してくる。龍助も光も親指を軽く立てて、OKサインをする。
「後で、一緒に練習しよう。実君もタンバリンで参加してもらって。」
「一色は?あいつも誕生会に誘うんだろう?」
 光が言うと、龍助は光とM.の耳元でささやいた。
「後で、麻宮さんからこっそり伝えてもらうことになっているよ。クラスメートの恵ちゃんも誘って美味しい料理を作ったり、みんなで部屋を飾り付けしたりしたい、って。」
 計画を話すと、光の表情が少し明るくなっているのに龍助は気が付いた。ミストスから天界へ由依を帰した方が良いという話は、水を差すといけないので龍助と朱里は黙っていたのだった。しかし、M.だけは龍助と朱里の様子を見ながら何かぎこちなさを感じ取っていた。
 
 
 龍助からも再度、事件の取り調べを聞いたM.は、後で軽音楽部の部室へ顔を出す約束をして遥のマンションを出た。そして、人通りの少ない路地まで歩いていき辺りに人気が無い事を確認してからデバイスを取出し魔界へ報告をした。
「シーズ博士。先ほどお送りした報告書の通りです。詳細はそちらをご覧下さい。それにしても何やらきな臭い感じね。」
 デバイスの画面に映る魔界のシーズ博士に話しかける。
「うむ。人間界へセルが脱走して、その上、アルまでも餌食になってしまうとは…。」
 悔しそうな表情をしてシーズ博士が難しい顔をする。
「彼はセルを逃がした勢力について調べていたみたいなんだけど、何か報告は上がってきているのかしら?」
 M.が尋ねるが、シーズ博士は少し渋る口調で応える。
「…。これは、まだレベルⅦ以上の特秘事項なのだが…。」
「レベルⅣのミーには情報開示出来ない訳ね。しょうがないわ。規則だもんね。」
 魔界の兵士にはセキュリティーレベルが設定されていて、M.はレベルⅣまでの情報しかアクセスできない。どうやら、セキュリティーレベルの高い機密情報の部類の情報の様だった。M.が諦めかけるとシーズ博士は、何かを決心して話し出す。
「いや、本来ならそうなのだが、今は緊急事態じゃ。現場責任者として特例としてわしの責任の上で、期間限定だがしばらくの間、お前がレベルⅦまでの情報にアクセス出来るようにしよう。」
「助かるわ。ミーは転属『レジェンド』だったから、J.達の様にレベルⅤの情報ですらアクセス権が無かったから。」
 シーズ博士がM.のセキュリティーレベル設定を変更し、デバイスのセキュリティー
レベル表示のⅣからⅦの文字に表示変更された。M.がデバイスをいじりながら確認する。
「それで、本題だが…。セルを脱走させるための勢力についての調査結果が少しだけ上がってきている。わしが独自で放っている隠密からだが。」
「魔界の兵士の中にも敵が紛れ込んでる可能性があるからね?」
 デバイスをいじっている手を止めて、M.が表示されているシーズ博士の顔に目をやる。
「うむ。調査報告から、『セフィヌ教団』が関与しているようだ。」
「セフィヌ?何それ?ミーは聞いたこともないわ。」
「わしも名前を聞いた事はあったのだが、てっきり都市伝説だと思っておったんじゃ。」
 シーズ博士が『セフィヌ』教団についてM.に説明を始めた。
 
 『セフィヌ』教団は古文書に登場する悪魔を信仰しているらしい。密教的に水面下で活動しているらしく、魔界でも存在を確認されていない。よって、都市伝説という噂もある。
 長い歴史の中では、古の機械文明を滅ぼしたのもこの教団の行いによるものという古文書も残っているが、真相は分からない。
 シーズ博士の放った隠密の報告では、その教団の一味がディアブロ王に反逆を企てている可能性があるとの事だった。セルもこの宗教を信仰していたのではないかと考えられている。
 現在の教団の信仰者には、魔族の貴族や政界の権力者も在籍しているらしい。おそらく政治的な権力を握るためで、熱心な信者ではないと考えられる。魔界の誰が『セフィヌ』教団の信者なのかも調査中ではあるが、うかつに踏み込めず、捜査もかなり困難な状況だという事だった。おそらく、アルも独自でこれぐらいの情報は把握していたのではないかとシーズ博士は考えているとの事だった。
 
「その『セルヌ』教団?が、悪い奴か!アルの仇!」
「いや、『セフィヌ』教団じゃ。まだほとんど詳細が分からない団体で、果たしてセルとの関係もはっきりしない状況なのじゃ。だから、M.も気を付ける事じゃ。あの有能なアル・レインですら、嗅ぎ付けただけで事件に巻き込まれてしまった様だから、我々も用心せねばのう。アルの二の舞になってしまう…。」
 辛そうに語るシーズ博士にM.が察して言う。
「博士もアルの事を息子だったり研究の仲間の様に感じてきたんだものね。アルがいなくなってとっても辛いのはミー達だけじゃないのよね。でも、アルはディアブロ様の治める平和な魔界を守るために戦ってきたんだから、アルの分も博士とミー達で頑張りましょう。」
「ありがとう。M.よ。南龍助達にも用心するように伝えて欲しい。」
「分かったわ。でも、龍助僕ちゃん達は強いわよ。なんたって、朱里を取り戻すために掟や魔界へ立ち向かって、心と力で打ち勝ったじゃない?ミーもその時は負けちゃったから。彼らなら大丈夫。今は、ハルカリのお嬢ちゃんと人間界の佐伯光がちょっと揺れているけど、きっと彼らで支えあって立ち直れると、ミーは信じているの。」
 龍助達の事を心配したシーズ博士にM.がそう言うと、博士は元気付けられた様に応えた。
「信じている、か。本当に良い言葉じゃ。敵が何処にいるか分からず不安な時ほど、信じる、という言葉は心強く感じるのう。」
「そうでしょう?ミーもたまにはなかなか良い事も言うのよ。」
 二人は少し笑顔になって、M.が敬礼をすると通信が終了する。
「『セフィヌ』教団か…。それはそうと、天界の天使族についての話が出なかったのだけど、この教団とはどうやら関係ないとの見解かしら。後でレベルⅦまでの情報をチェックしておかなくちゃ…。アルの分まで龍助僕ちゃん達をミーが守らなくちゃ…。ミー頑張る。」
 心の中でM.が決心を固めてから、龍助の学校へ向かった。
 
 
 M.が部室へ着くと、龍助達の演奏が聞こえてくる。
「あら?なんだか楽しそう。こんな時に演奏ってなんだかアルには悪いけど、お経の代わりになるかも。ちゃんとアルも成仏できるかしら?」
 冗談を一人呟いて、M.が涙を拭いてから部屋の前で深呼吸をする。
「お邪魔するわよ。ミーも約束で来たわ。」
 部室には、龍助達が楽器を演奏していた。しかし、症状が硬かった。アルが事件に巻き込まれていなくなった後で、どうしても元気を出すのは難しかったが、彼らなりに一生懸命立ち直ろうとしているのがM.には感じられた。
「M.さんも何か一緒に演奏しようよ。龍助がバースデーソングを考えているんだけど、間に合わなさそうだから、とりあえず由依ちゃんの好きな歌を演奏しようってさっき話してたんだ。[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]か[flower’s song]。」
 スコアをコピーした物を光がM.に手渡す。M.はロッドを取り出して、break throughさせる。すると、ロッドは電子バイオリンの形にフォームチェンジした。
「結構、体に負担あるから、ミーはちょっとだけ参加するわ。」
「メロディーを弾いてくれるかな?僕がエレクトリックピアノを弾くから。光はコード譜を見ながらコードでバッキングしてね。」
 龍助が支持すると、三人で演奏を始める。演奏を通して、龍助達の心が少し癒されていくのを感じた。M.の奏でるバイオリンは煌びやかに、また美しく旋律を奏でた。
 2曲の演奏を終えると、M.は武器をロッドに戻してしまった。
「ふー。龍助僕ちゃん達と一緒に演奏できて楽しかったわ。ミーと音楽をしてくれる人なんていないと思っていたから、超うれしい。ありがとう。あ、そうだ。アドバイスとしては、もう少し楽しくリズムをはねながら演奏する事ね。タッカ・タッカ・タッカ・タッカ、ポニーが楽しくはねるみたいに。16分音符で普通にタカ・タカ・タカ・タカよりもワクワク感が少し違うでしょう?」
「おー。はねる感じかぁ。なるほどね。心と体が自然に動いてきそうな。」
「お誕生会では由依ちゃんも楽しんでくれると良いね。」
 三人がほほ笑む。龍助達は誕生会用の練習をこっそり進めたのであった。
 
 一方、朱里も遥を誘ったのだった。
 遥の部屋で由依がお絵描きに夢中になっていたのを見て、朱里が遥をリビングに来るように手招きする。そして、由依の誕生会の開催の事を伝える。
「ねぇ。遥ちゃん。一緒にお部屋の飾りつけとか、お料理とかお願いできないかなぁ。私一人だったら、心配なの。遥ちゃんの力を借りたいの。」
「…。分かったわ。恵も誘って、ケーキを作りましょう。場所は、何処でするの?」
 遥が朱里の誘いに乗って、相談に乗る。
「公園みたいな広い場所も考えたんだけど、由依ちゃんにアットホームな家族の感じを演出したいから、龍助君の家で。リビングとお庭で開催すれば、実君たちも呼んでも入るかな?って思って。」
 少しもじもじしながらも朱里が遥に考えを話す。すると、遥が腕を組んでアイデアを提案する。
「そうね。恵の家みたいに豪邸じゃないから、庭を使ってバーべキューでもすると良いんじゃない?仕込みを前日までにしておけば、焼くだけだし。」
「さすが遥ちゃん。」
 朱里が遥に抱き付く。遥を元気にしたかったのもあるが、由依が天界に返さないといけないかもしれないという不安を遥達と乗り越えたいと思っていた。
 遥と朱里の姿を見て、シェリルもほっと胸を撫でおろした。母親として落ち込んだ愛娘を見守ってあげる事は出来ても、元気にしてくれるのは朱里という遥にとっての大切な親友の存在が大きいと感謝したのだった。シェリルは感激のあまり少し寝み駄目になり、オーランドがそっとハンカチを差し出したのだった。
 
 朱里達の相談をそっと見ていた者がいた。お絵描き中だった由依だ。龍助とリラと描いた後で、朱里に絵を見せようと思った。そして部屋の出口まで来た所で、由依のお誕生会の話を耳にしてしまったのだった。
 ミストスの話を聞いて以来、天界の家族への憧れと、朱里達との別れの狭間で、幼い由依の心は揺れていた。そして、自分に何か異変が起こっており、少しずつ以前の記憶が薄れてきている事も感じていた。しかし、朱里達に心配をかけたくないと思い、黙っていたのだった。
「どうしよう…。」
 自分の誕生会を朱里達が一生懸命計画してくれている事に飛び上がりたいほど嬉しかったが、同時に、誕生会をしてもらうと、別れが更に辛いものになってしまうと思ったのだった。天界へ行ってしまうと、自分を本当の家族の様に接してくれる朱里達を裏切ってしまうのではないか?また、心配をかけまいと天界の事を内緒にしている事が、なんだか後ろめたくて由依は部屋に戻ってクレヨンを片付けを始める。そして、クレヨンの色をケースの順番にそろえたのを確認してケースをしまう。
 小さな彼女が決心をした瞬間だった。
 
 
 それから5日経って、誕生会の前日に由依は龍助と朱里を夕方に散歩へ誘った。
「ねぇ。てをつないでよ。ぱぱとままみたいに。ゆいのおねがい。」
 由依が朱里と龍助に両手を差し出す。龍助がパパとママみたいに、という言葉で少し顔を赤くし、朱里がそれを見て笑う。そして、三人は由依を真ん中にして手を繋いで歩く。リラは龍助の頭の上に乗って、由依が時折ブラーンと嬉しそうにぶら下がるのを眺めながら、あくびをする。
 橋の所で川を眺めながら、由依が小さな手が朱里と龍助との繋いだ手をぎゅっと握りしめた。
「ゆいね。じゅりもりゅうすけもりらもすきだよ。さんぽにつれてきてくれてありがとう。」
 由依が朱里と龍助とリラの顔を見上げながら甘えっぽく言う。
「私達もよ。ねぇ、龍助君。」
 朱里がほほ笑みながら、由依から龍助に視線を動かす。
「うん。大切な家族だからね。」
 龍助が言うと、リラが遅れまいと龍助の頭に立ち上がって言った。

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「おいらも、お兄ちゃんとして由依ちゃんの事は好きだぞ。面と向かって言うとなんだか照れくさいけどな。」
「え~、ゆいがオネエサンダヨ。」
 一瞬、由依の髪が白くなって覚醒した様に感じたが、夕日にみんな照らされており、辺り一面オレンジ色に染まっていたので、龍助達にははっきり分からなかった。ただ、由依には、何か体に起こっている事は強く感じていたのだった。
「お、おいらがお兄ちゃんだぞ。先に生まれたんだから。」
「まぁまぁ、仲よくしてよ。リラと由依ちゃん。」
 龍助が優しく言うとリラと由依がうなずく。
「うわぁ、夕日が川の水面に反射してキラキラして綺麗ね。由依ちゃん、見て。」
 橋の上から三人と一匹が水面を覗き込むと、オレンジ色のキラキラした水面にうっすら彼らの姿が映る。由依にはパパとママと一緒に手を繋いで映っているように感じたのだった。
 
 リラが、ふと空を見上げて指差す。
「お、あれ一番星じゃないか?」
「そうだね。人工衛星ではなさそうだね。」
 龍助がリラの指さす方を見て目を細めながら言う。
「そろそろ夕ご飯の時間だから帰ろうか?この調子だと明日は天気が良さそうだから楽しみだね。」
「龍助君!」
 思わず口を滑らしそうになった龍助に朱里がウィンクをして口止めをする。龍助がヒヤッとして空いている方の手で頭をかく。すると、リラのお腹がぎゅーとなる。
「じゃぁ、帰ろうか。おいら腹ペコペコだぞ。」
「ゆいもおなかぺこぺこだよ。」
 三人と一匹は沈みゆく太陽に照らされながら、帰宅したのだった。
 
 
 そして翌日。龍助達が由依の誕生会の準備をしている。午前11時頃を目途に開催するように計画していた。料理は朱里,遥,恵の担当で、龍助,光,武司,実は部屋の飾りつけを担当だった。由依は朝ご飯の後で近くの公園へ遊びに行ってくるというので、後で公園に迎えに行くと約束していた。M.も庭で龍助の両親や遥の母のシェリル達と皿を並べていた。
「そろそろ、由依ちゃんを迎えに行って来いよ。由依ちゃんのパパ。」
 龍助に光が言うと、遥も朱里に言う。
「さぁさぁ、由依ちゃんのママ担当でしょう。ここはあたし達に任せて。」
 二人が照れくさそうにすると、周りが急ぐ様にせかす。
「もう、言っておくけどあんた達のパーティーじゃないのよ。由依ちゃんのお誕生会なんだから。さっさとお迎えに行って来なさいよ。ほら、もたもたしないの。」
 実が朱里と龍助の背中を押しながら玄関へ向かう。
「じゃぁ、行ってきます。後は、お願いね。」
 二人は由依の喜ぶ顔を想像しながら、うれしさを抑えて公園へ向かった。空は明るく輝き、太陽の光が眩しい位に輝いていた。朱里は思わずハミングする。そして龍助もそれを聞きながらこれから行う由依の誕生会にドキドキしていた。そして、公園に二人が到着する。
 しかし、公園には由依の姿は無かったのだった。
 
 そして、朱里の机には一枚の画用紙が置いてあった。それは、遥の家で由依がクレヨンで描いた、由依や朱里や龍助や家族や仲間達が楽しそうに手を繋いで輪になっている絵だった。そして、手を繋いで輪になっている輪の中にはクレヨンで「ありがとう。」という言葉が添えて書いてあった…。
 
 
to be continued...

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