L.D.C. Episode 002 of shin web

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Episode 002 魔界からの使者

music:[light pink -I love you.-]

DSC02006のコピー10.jpg

前回までの『L.D.C.』

04_100_non_back.png 魔界から来たという魔族の少女、麻宮朱里と、そのお供のぬいぐるみのようなドラゴン、リラが、突然現れて、平凡な毎日を過ごしていた高校生、南龍助の家族と一緒に生活することになった。
 しかし、ある少女が人間界へ朱里を追って来て、朱里たちに危険が迫ることに…。

 魔界から来たという魔族の少女、麻宮朱里と、そのお供のぬいぐるみのようなドラゴン、リラが、突然現れて、平凡な毎日を過ごしていた高校生、南龍助の家族と一緒に生活することになった。
 朱里の魔法で、龍助の家族や学校のクラスメートには、もともと彼女が人間界にいて、龍助と共に高校へ通っているというように記憶をすりかえた。これは人間界で魔族の姿が見えるようにする適応魔法のちょっとした応用らしいが、龍助と朱里が登校しても普段と変わらないように、クラスメートが朱里にも挨拶していることに、龍助はほっと胸をなでおろした。

 校庭を抜けて、校舎に入り、龍助の幼馴染である佐伯光が廊下ですれ違う。
「おっす!龍助と朱里。」
「おはよう。」
「おはようございます。えっと、光君。」
 龍助のクラスは1年C組。朱里もそのクラスだ。光はクラスが違い、1年A組だ。
「あら~、光様と龍助君、見~つけ!朱里ちゃんもおはよう!」
 そう言いながら、両手を小刻みに振りつつよって来たのが、伊集院 実(いじゅういん みのる)。彼は男なのだが、かっこよい男性が好みのいわゆるオカマキャラだ。クールな光の方が好みのようだが、龍助のように可愛げのある感じの男の子も放っておけないらしい。彼(彼女は?)は1年A組。

「あ、またあんたは、光と龍助にべとべとして。は・な・れ・な・さいよ!」
 龍助に抱き着いている実を後ろから強引に引き剥がしたのが沢崎 千夏(さわざき ちか)。彼女は龍助のクラスで学級委員長をしている。実と仲が良いのか悪いのか、まるでライバル関係にあり時々口げんかをしている。千夏は一年生でラクロス部のキャプテンという責任感がある女の子なのだが、少々男勝りな感じでもある。1年C組。

「また、いつものように喧嘩ですか?朝から元気が良いですね。」
 眼鏡のフレームに手をやりながら、少し冷たい視線で声をかけたのは、小島 武司(こじま たけし)。いつもノートパソコンを持ち歩いていて、『歩く電脳』と呼ばれている。みんなとは距離をおいているのだが、気がつくと、龍助の近くにいる。1年C組。

「…。じゅ、朱里ちゃん…。おはよう!」
 大人しくて、引っ込み思案な少女は松本 恵(まつもと めぐみ)。彼女は、実は大富豪のお嬢様で、この学園の理事も彼女の親戚だそうだ。いつも独りぼっちの恵に千夏が声をかけて、龍助たちの仲間の輪に顔を出すようになった。1年C組。

「なんや、なんや。みんなおそろいか?賑やかやな。じゃあ、今日のジョークを一発、行ってみよう!」
「言わんでよし。」
「なんやぁ、千夏さん。ご機嫌斜めやな。そんな怖い顔ばっかしていたら、お嫁にいけなくなってしまうよ。麻宮みたいにもう~ちょっと女の子っぽくなったら可愛いのになぁ。」
「うるさい、あんたは。」
「おいおい、わいはみんなよりも一つ、歳が上なんだよ。世間では、先輩っちゅうて、尊敬されるはずなんやけどなぁ。おかしいなぁ。」
「おかしいのは、あんただ。」
 頭をかきながら関西弁で話しかけてきたのは、龍助たちの先輩で2年F組の安藤 裕二(あんどう ゆうじ)。ユニークな性格で「夢はお笑い芸人」と言っているが、本当の夢はまだ誰も聞いたことが無い。こんな調子なので、面度見が良いのか悪いのか、龍助たちの良き兄のような感じで、困った時には相談相手になってくれる。

「そうや、さっき、教官室で可愛い子がおったぞ~。転校生やって。セミロングの髪型でわいの好みやったけど、ちょっとつんとした感じやった。あれは、一年やな。龍助の担任の、えっと…。お前の担任って…。」
「稲葉先生?」
「そうそう、稲葉。あの女先生と一緒にいたから、ひょっとしたらお前のクラスかもよ。ええなぁ~。もしお前のクラスやったら、後で紹介してやぁ。あ、痛てぇ。」
 裕二の耳を千夏がねじって軽く引っ張った。
「堪忍や。堪忍。俺は、千夏一筋…。でもないか。あ、いたたた。」
「何であんたなんかと!こっちからお断り。どうしようもない先輩はほっといて、さっさと教室に行こうよ。朱里。」
 朱里はクスクスと小さく笑いながら、みんなを見渡して口を開いた。
「そろそろ授業が始まるよ。そうだ、お昼にでもみんなでご飯食べようね。屋上が良いかな?ね、龍助君?」
「そうやな。じゃぁ、昼にでも。ね、龍助君?」
 裕二が朱里のまねをした。すると、つかさず、千夏が言う。
「あんたは来なくて良い。」
「あたいは、光様と龍助君と朱里ちゃんと恵ちゃんといくよ。」
「よ、良かったら、武司君も来ない?」
 恵が武司を気にして声をかけた。
「あ、僕は遠慮しておくよ。昼休みはもっと有効利用したいんだ。じゃぁ、お先に。」
 そう言うと、さっさと教室に入っていった。恵がうつむく。
「気にすんな、恵。あいつはいつもそうだから。来たい時に仲間に入れてやれば良いよ。」
 光が恵の肩を軽く叩いて言った。
「う、うん。光君、ありがとう。」
「さっすが、光様!心が広~くてス・テ・キ!!!どこかの男女とは違って。」
「何ですって!実。」
「まぁまぁ、二人ともそのぐらいにして。みんなもそろそろ教室へ行かないと。麻宮さんがさっき言ったように昼休みに屋上ってことで、良いよね?」
 龍助がまとめたところで、チャイムが鳴って、みんな慌てて教室へ駆け込んだ。
「わいだけ、学年ちゃうから、別校舎やった!そや、今日は一限目から英語の単語テストやないか!やばい!!!なんで、わいだけ~!」


 しばらくして一時限目が始まる前に担任の稲葉教官が教室へ入ってきた。
「おはよう!みなの衆。元気そうだな。今日は、転校生がいるぞ。喜べ、男子諸君!」
 クラスがざわつく。男子生徒の中には拍手や感嘆の声を出して喜ぶものもいた。
「入れ。一色。」
 そう言われて、教室に可愛い少女が入ってきた。男子生徒は口笛をピーピー鳴らしたりしたり、「おぉ…。」という感じで目の前の少女に見入っていた。
 彼女を見た朱里は、思わず、彼女の名前を口にして、顔色を急に変えた。
「ハルカ…ちゃん。どうして、ここに…。」
 心配そうな朱里の表情に気がついた隣の席の龍助は、小さな声で朱里に声をかけた。
「大丈夫?麻宮さん。」
「う、うん…。」
 転校生は教室のみんなに向かって笑顔で挨拶をした。
「一色 遥(いっしき はるか)と言います。今日からよろしくお願いします。」
「え~、一色は海外からの帰国子女だから、英語も出来るぞ。お前たち、親切にして英語教えてもらえよ。さて、何処の席が良いかな…?あ、そうだ、龍助の後ろが空いているな?あそこでよいか?」
「はい。」
「じゃぁ、そこで。分からないことがあったら、前の席の龍助かその隣の麻宮に聞くと良い。授業始めるから、各自、準備しろ。」
 ゆっくりと、遥が龍助の机に近寄ってきた。
「よろしく。一色さん。」
「龍助君っていうだ。ヨロシクね。」
と、可愛く挨拶をした。その後で、龍助に気づかれないように朱里の方を向いて小さくささやいた。
「ジュリア。逃がさないわよ。後で、ちょっと来なさい。いいわね?」
 朱里は小さくうなずく。遥は、龍助の後ろの席へ座り、冷たく笑った。


 1時限目の後の休み時間、朱里は遥に連れられて人気の無い体育館の裏へ行った。halcari_c1.jpgイラスト:hata_hataさん
「ジュリア。あんた、何で人間界へ来たのよ!あたしは持っているけど、あんたみたいに通行許可証を持っていない身で、勝手に、人間界へ行ってはいけないのを知っているわね?それに、龍助って人間にも、あんたの存在を知られてるでしょう?」
「龍助君には手を出さないで!彼は、何も悪いことをしてないの。私が彼にお願いして匿ってもらっていたの。」
「あらあら。まるで恋する女の子ね。それも、魔族が人間なんかに。」
「そ、そんなんじゃないけど…。ハルカちゃん、どうして私を目の敵みたいに追ってきたの?昔は仲良しだったじゃない?見逃してくれない?」
「はぁ?仲良しだった頃なんて、あったかしら?あんたなんかにハルカちゃんって言われたくもないわ。それに、私には、ハルカリ ディオール(Halcari Diorl)というれっきとした魔界名があるの。貴族であるディオール家のあたしと、あんたとは格が違うのよ!」
 そう言うと、遥はモードチェンジをして、ロッドを出し、ジュリアに向かって氷魔法攻撃を行った。
「リラ、お願い!」
 とっさに、朱里は鞄に入れていたリラを取り出し、瞳を閉じて、叫んだ。

「re-write!」

 その瞬間、リラは光に包まれ、フォームチェンジをして剣の形に変化した。同時に、朱里がその剣をかざして、遥の攻撃魔法を防御した。

「やるわね。魔法系だけで無くて、剣まで使えるんだったわね、あんたは。そうじゃなくちゃ、倒し甲斐がないものね!」
「私は、ハルカちゃんと戦いたくないよ。」
「うるさい、そういう優等生な感じのあんたが嫌いなのよ!」
 遥は氷魔法攻撃を繰り返す。朱里は剣で防御するだけだった。攻撃を受けるたびに、少しずつ剣が凍り付いていく。
「どうして、私たちは戦わないといけないの?」
「嫌いだから、っていうだけじゃ駄目かしら?」
「ハルカちゃんはそんな子じゃないよ。」
「うるさい!うるさい!うるさい!!おしゃべりはもうおしまい。あんたが本気じゃなくても、手加減しないから。あんたに負けるわけにいかないのよ!私はあんたと違って勝ち続けないと意味が無いの!」

01_L_haruka.jpgイラスト:hata_hataさん

 次々と繰り出される氷魔法攻撃で、とうとう朱里の右腕が剣ごと固まって身動きが取れなくなった。
「ははは。とうとう、あんたもおしまいね。さっさと、消滅してしまいなさい!」
 遥は大きくロッドを振り回した後で、天にかざして呪文を唱えた。すると、氷の槍のようなものが朱里に向かって飛んでいった。朱里がもう駄目だと思った、その瞬間、朱里の前に誰かがかばう様にして飛び出した。

 危機一髪で朱里は飛ばされて、かばって飛び出した者と一緒に転がる。
「誰よ!邪魔するのは?あ、あんたは、さっきの。龍助って言ったかしら?」
 朱里が横に転がっている龍助を見つめる。龍助の頬に少しかすった様で、血が流れていた。
「ご、ごめんなさい…、龍助君。巻き込んでしまって…。龍助君は逃げて!ハルカちゃん、龍助君には手を出さないで。私はもう抵抗しないから!」
 龍助が立ち上がった。手は恐ろしさでびくびく震えているが、朱里の前で両手を大きく広げて遥かの目をじっと見た。
「なんで、一色さんが麻宮さんを痛めつけなければならないんだよ…。君たちは友達なんだろう?そんなの悲しすぎるよ。」
「あんたは黙って横になっていれば見逃してあげたのに…。いつもそう。ジュリアの周りには輪が出来ていて、私なんかよりも格が下なのに!私はがんばっているのに!」
 ロッドを振りかざそうと右手を上げた遥が寂しそうな目をする。それを見た朱里は、倒れたまま優しく遥に答える。
「知っているよ。ハルカちゃんは良くがんばってるよ。だって、私は小さい頃からずっとハルカちゃんを見てきたから。いつも一緒だったから。由緒あるハルカリ家の名前を背負って、期待に応えるために、誰よりもがんばってきたことを私は知っているよ。」
 その言葉を聞いたとたん、遥は手からロッドを放し、カランと地面に落とした。

「何で…。何で…あたしに相談もなく、人間界へ行ってしまったの…。あたしには、ジュリアしかいなかったのに。」
「ごめんなさい。どうしても、かなえたいことがあったの。人間界へ来ないとかなわないこと…。」
「それだったら!なんで、私を一緒に誘ってくれなかったの?私たちは友達だったんじゃないの?」
 遥が涙を流して崩れるようにひざを着いた。その姿を見て、龍助も腰が抜けたようにストンと座った。
「ごめんね。ごめんね、ハルカちゃん。私は人間界で『Espoir(希望)』を集めにきたの。」
「『Espoir』?人間界にある『Espoir』って、たしか、歌だったよね。なんで?」
 うつむいたまま、涙声で遥は力なくつぶやいた。
「そう。人間界で歌『Espoir』を、このペンダント型の『L'aile du coeur(心の翼)』に集めるために来たの。今日ね、一つ見つけたのよ。[blue]って歌を。偶然、歌ったら、クリスタルになって青く光るようになったんだよ。ほら、綺麗でしょう?」
 朱里は凍りついていない方の左手で『L.D.C.』を遥に見せた。その中のクリスタルがほんのり青く輝いていた。
「まだ、一個だけなんだけど、これを集めると、人間になれるかもしれないの。」
「人間に?どうして?魔族の方が良いじゃないの?人間なんて、寿命も短いし、魔法だって使いこなせないよ。」
「ううん?人間になりたいの。昔、約束したの。ある人と。」
 朱里は小さく微笑んだ。
「そうか。ジュリアは人間になりたいんだ…。」
「うん。龍助君みたいな人間に…。でも、かなうかどうかも分からないんだ。偶然、シーズ博士の『L.D.C.』についての研究レポートの一部を見ただけで、レポートにも「クリスタルの力で魔族の魔力が浄化されていく可能性がある」ということが書かれていただけなの。具体的な『Espoir』の集め方もまだ解明されていないし、そもそも、魔力が浄化されたとしても、人間になれるかどうかも分からないんだよ。」
「それでも、ジュリアは人間界に来たかったんだね。」

 龍助はぐったりとして二人の話をただじっと聞いていた。そして、二人の友情の絆の深さを感じ、寂しい表情が少しずつ癒された表情になっていく遥に気がついた。
 遥が朱里の元へ歩いていき、ため息をついてから、癒し系の回復魔法を唱えた。朱里の凍りついた右腕がゆっくり解凍された。
「後は、自分で回復できるでしょう?」
 そう言うと、遥は立ち去ろうとした。
「ハルカちゃん…。ありがとう…。」
「あたしは、ジュリアのピンクの髪が好きだったなぁ。でも、明るい茶色も似合っているよ。大丈夫、まだ魔界には報告していないし、報告もしないから。それから…、これからは…、こっちで、一色遥って呼んでね。じゃあ。」
 振り向かずに歩き出した遥に向かって、龍助が言った。
「待って!一色さんも…。一色さんも、お昼、一緒に食べない?今日、みんなで、第一校舎の屋上に集まるんだ。」
 それを聞いた遥は右手を軽く上げた。
「考えとく。」
 そうつぶやいて遥の姿は見えなくなった。

 朱里は龍助のそばに近寄って、龍助の背中にそっと寄り添った。
「ありがとう。そして、ごめんね。」
「僕は何もできなかった。麻宮さんの様子が少し気になったから後をつけてきたけど、怖くて、飛び出すのが精一杯だった。怪我は大丈夫?」
「うん。遥ちゃんがほとんど治してくれた。龍助君は?」
「大丈夫。少しすりむいただけ。本当に麻宮さんが無事でよかった。」
「ありがとう。もうちょっとこうしていていい?」
「うん…。」
 龍助と朱里がそよ風に吹かれていた。明るい茶色の朱里の髪が龍助の頬にも優しく触れた。そういえば、朱里と出会った時には、彼女の髪の色は明るいピンク色だったなぁ、と背中に朱里を感じながら龍助は少し頬を赤くしつつ思った。
 その時、龍助の携帯電話が鳴り、着信メロディーの[light pink]という曲がなった。その歌を朱里は小さい声でささやくように歌った。ピンクのクリスタルが朱里の『L'aile du coeur(心の翼)』にそっと輝いた。

「好きよ あなたのこと 世界で一番
眩しい瞳で ずっと×2 見つめていて
ぎゅっと×2 抱きしめてて」


 2時限目は、朱里と龍助の二人で遅刻していったが、自習時間だった。龍助の後ろの遥の席には彼女の姿はなかった。4時限目が終わっても彼女は現れなかった。そして、昼休みを迎えた。
 龍助と朱里は一緒に購買部でパンを買って、屋上へ向かった。
 そこには、もう、実、千夏、恵、裕二が待っていた。
「朱里、遅いよ。先に食べてるよ、裕二は。」
「おい、千夏。裕二『先輩』やろ。おう、やっと来よったか。」
「あら、朱里ちゃんも龍助君も二人は仲が良いわね。うらやましい。光様はまだ来ていないの。」
 龍助と朱里が目を合わせてから、少し照れくさそうに下を見る。
「…。朱里ちゃんは今日はパン?」
「そうだよ。クリームパンとチェリーパイ。恵ちゃんは手作りのお弁当なんだね。おいしそう。」
「『歩く電脳』は図書室へ行きよったで。あいつは、勉強家やからな。ここへ来て息抜きすればよいのに。まぁ、わいみたいに息抜きしすぎても英語の単語テストで補習になってしまうけどな。は、は、はははは……は~。」
 裕二は珍しくため息をついた。どうやら、単語テストには間に合ったのだが、徹夜の一夜漬けでテスト時間に眠ってしまい残念な結果となったらしい。

 龍助は少しの間、周りを見渡してから、パンを取り出しつつ仲間に聞いてみた。
「えっと、今日、うちのクラスに転校してきた一色さんって女の子、来てないかな?」
「え?やっぱ、おまえのとこのクラスやったか!来るのか?ここに?」
「急に元気にならない、裕・二・先・輩!」
「…。見ていないよ…。」
と、話している時に、声がする。
「お、もう集まってるな?屋上の入り口で龍助たちを見ていたから連れてきたぞ。」
 朱里が振り返る。そこには、光の後ろに罰の悪そうな顔で遥が立っていた。
「遥ちゃん!」
 朱里がとてもうれしそうに手を振る。遥も遠慮気味に少しだけ小さく手を振る。その二人を見ながら、龍助は温かいものが胸にこみ上げてくるのを感じていた。
「あら、光様とご一緒とは。あんたもなかなかやるわね。」
「おおお、はじめまして。2年F組の安藤裕二と申します。…、いや、僕はみんなより一つ歳上なんですが、中学の頃から先輩後輩の関係でよく知っているので、今日はご一緒させていただいています。どうぞお見知りおきを…。」
「はいはい、使い慣れない言葉を無理に使わない!ねぇ、一色さん…、いや、遥ちゃんで良いよね?」
 遥は朱里の方を見て、朱里が優しくうなずくと遥は可愛く微笑んで言った。
「はい。一色遥です。ヨロシクね。」
 先ほどまで朱里を攻撃していたのとは違って、とても表情が柔らかくなっていた。
 いつもは、龍助と光の二人で静かに昼食を食べていたが、久々に賑やかな昼食になった。それに、みんなの笑顔の中に、朱里の優しい笑顔も見ることが出来る。初めてこの屋上で出会った時よりもだんだんと彼女のことを大切に思う自分を感じ、幸せな一時がずっと続くように、龍助はそっと心から祈った。


 昼食後。解散後に、屋上には龍助と遥が残っていた。
「何よ。あんた、こっちばっか見ないでよ。」
「ごめん…。一色さんって、どうして、そうつんけんするの?今さっきみたいに笑ったらとても可愛いのに。」
「う、うるさい。な、な、なんでそんなこというのよ。」
 龍助が微笑みながら答える。
「いや、素直にそう思っただけだよ。一色さんって、さっきの攻撃している時はすごく怖い顔だったけど、笑顔でいるととっても明るい感じするし。そういう一色さんの方が好きだな。」
 龍助の言葉に遥が少し照れながら、あたふたする。
「あ、あんたなんかに好きなんて言われたくない!十年、いや百年早い。」
「ごめん。ごめん。僕は、今日の放課後、部活見学に行ってみようと思ってるんだ。一色さんも麻宮さんを誘って部活見学してみたらどうかな?それじゃ、またね。」
「あ、うん…。」
 遥が少ししおらしくなって答える。龍助は屋上を後にした。
「なんか調子狂うなぁ…。」
 ぽつんと、遥がつぶやいた。昼休みの校内放送で、[light pink]が流れている。すがすがしい光を浴びながら、遥の髪が輝く。
「恋する気持ちって、色で表すと[light pink]なのかな?ジュリアはどうなのかな~?」

「好きよ あなたのこと 世界で一番
素敵な気持ちで もっと×2 微笑んでね
きっと×2 うれしくなる」

 教室に取り残された朱里の鞄の中でリラが小さくくしゃみをする。
「寒いよ…。朱里…。おなかがすいたよ…。朱里…。なんか、忘れてない?」

to be continued...

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第一部 (人間界編)

■Episode 001:

♪:[blue]

■Episode 002:

♪:[light pink -I love you.-]

■Episode 003:

♪:[nu.ku.mo.ri.]

■Episode 004:

♪:[real]

■Episode 005:

♪:[color]

■Episode 006:

♪:[my wings]

■Episode 007:

♪:[I'll be there soon.(すぐ行くよ)]

■Episode 008:

♪:[promise]

Aile_03_non_back_100.png

イラスト:hata_hataさん

第二部 (魔界編)

第三部 (人間界編)

■Episode 017:

♪:[ドキ×2]

■Episode 018:

♪:[let it go!!]

■Episode 019:

♪:[N]

■Episode 020:

♪:[tears in love]
♪:[destiny]

■Episode 021:

♪:[Touch to your heart!]
♪:[you and me]

■Episode 022:

♪:[Happy Happy Love]

■Episode 023:

♪:[INFINITY]

■Episode 024:

♪:[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]

■Episode 025:

♪:[pain]

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イラスト:hata_hataさん

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VOCALOTRACKS様にてがくっぽいど曲1曲iTunesほか各配信サイトへ2015年09月09日配信開始!!『がくっぽいど(神威がくぽ) 7th Anniversary オリジナル楽曲』
(楽曲:shin イラスト:hata_hata様)

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一色遥(学生服姿)

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