Episode 018
バンドやろうよ(前編)

music:[let it go!!]


前回までの『L.D.C.』

 人間界で生活をしていた南龍助は、魔界から来た少女、麻宮朱里と出会う。そして、一度は魔界に二人は引き離されたのだが、仲間と共に魔界を旅して立ち向かい彼女を取り戻し、再び人間界で夢を追いかけることになった。
 
 歌のクリスタルを集めて人間になりたいという、朱里の夢を応援している龍助も音楽をしたいという夢に向かって小さな一歩を踏み出すことになる。
 
 そんな中、龍助のクラスメートである小島武司にも何か感じることがあった...。

「あいつさぁ、そういえば、いつも一人で図書室にいるなぁ。」
 昼休みの時間になって、食堂へ向かう数人の学生が図書室の窓から見えた人影を指差した。学生達はそのまま歩きながら話を続ける。
「誰?あぁ、『歩く電脳』だろ?隣のクラスの…確か、小島武司(こじま たけし)って言うらしいよ。いつもノートPC持ち歩いていて、なんだかインテリな感じで近寄り難いんだ、って、あいつと同じクラスのダチが言ってたぜ。」
「小島って、学年トップクラスの成績だろ。いつもトップだったのに、こないだのテストは二位だったよ。それよりさぁ。知ってるか?一位は、転校生の一色遥!頭良い上に可愛いよな。ちょっぴりツンとしたところも、またよいかも。彼女、ラクロス部だって。なんで、俺のクラスへ転校してこなかったんだ。」
「お前がいるからかも。お前、女運無さそうだから。そんなお前と同じクラスの俺もかわいそう。」
「うるさいなぁ。あのクラスって、遥ちゃんだけじゃなくて、麻宮朱里もいるだろう?麻宮さんも良いよなぁ。なんかうらやましいなぁ。俺も隣のクラスへクラス替えしたい。」
「お前なぁ、そんなことばかり言っていると、うちのクラスの女子から大ブーイングだぞ。逆に、なんでうちのクラスには、かっこよい男子がいないのかしら、って。」
「ちげぇねぇ。気をつけなくっちゃ。女子の話だと、何気に最近人気上昇中なのが、テニス部一年の佐伯光だって。あいつ、中学の時からテニス上手かったからなぁ。一年の中でも有望らしいよ。」
「あ、俺もそいつ知ってる。全国大会へいった奴だろう。お前も、何かで有望になってみろよ。」
「俺の得意技って、昼寝かな?どんな所でもすぐ寝ることができるから。昼寝選手権とかあったら、全国大会へ出場どころか、オリンピックで金メダル取れるかも、なんてな。」
 笑いながら、男子学生達が図書室の廊下を通り過ぎて行った。
 
 
 図書室では、武司がパソコンを前に、参考書などを開きながら一人で勉強をしている。少し休みを取るためにメガネを外し、考え事を始めた。
 彼は、龍助の幼馴染の一人だったのだが、中学の時にクラスが違ってからは、少しずつ龍助達と距離を置くようになってしまっていた。それでも、高校でまたクラスが同じになり、時々は龍助達と会話を交わすことはあったが、幼いころの様にいつも一緒に遊んでいたような感じではなく、パソコン片手に一人でいることが多かった。
 
 龍助が朱里奪還のために、魔界へ旅立った時、遥の広域の適応魔法によって龍助達の存在の記憶を差し替えたにも関わらず、武司にはその魔法効果が適応されていなかったのだった。そして、武司の住む高層マンションの部屋から、学園の校舎の屋上で、龍助とデビルモードになっている遥達が光り輝く魔法陣の中へ飛び込んでいく様を目撃してしまったのだった。それ以来、更に、警戒心を深めていた。
 龍助達が人間界へ帰ってきた後、朱里の広域適応魔法で龍助だけでなく朱里達も以前から彼らの学園へ通っているという記憶のすり替えを行っているのだが、原因は不明だが武司には効果が無かった様だ。彼自身も未だに信じられない非現実的な魔法陣等の状況を相談する相手もおらず、クールに平静を装いつつも、独りで何か言いようの無い不安を感じながら毎日を過ごしていたのだった。
 
「なんだったんだ。龍助達の魔方陣は。一色さんも変わった衣装だったし。目の錯覚ではないはずだ。きっと…。」
 武司が、眉間にしわを寄せてうつむく。
「何が、目の錯覚ではないはずなんや?」
「!?」
 武司が振り返ると、そこには一年上の安藤裕二(あんどう ゆうじ)が立っていた。彼は幼い頃、武司や龍助達の面倒を良く見てくれる良い兄貴分で、時々、一人でいる武司に声をかけていた。武司が慌てて、メガネをかけなおして答える。
「何でもないですよ。何でも…。」
「そうかぁ?なんだか、深刻そうな感じだったから…。何か悩みがあったら、わいに相談しな?まぁ、わいじゃぁ、ちょび~と頼りないかもしれんけど、話ぐらいは聞いてやることは出来るから。」
「お気持ちだけ頂いておきますよ。裕二さん。いや、先輩。」
「まぁ、気が向いたらいつでもOKやで。それよりも、お前、いつも一人で飯食ってないで、たまには屋上へ来うへんか?図書室で一人勉強ばっかりや、教室で一人飯食っていても消化に良くないで。やっぱ、女の子達と楽しい会話をしながら、青春を味わいながら、美味しくランチを取らないと。今なら、もれなくオカマちゃんな実もついてくるけどな。」
「…。」
「無視するなよ。冗談やないか。まぁ、実際、実もおるけど。みんなで楽しく飯食おうってお誘いやんか。」
「僕は忙しいんで、また機会があったら。」
 
 立ち上がって軽くお辞儀をして、武司がパソコンや参考書を持って立ち去ろうとする。その腕を裕二が掴んで引き止める。
「何を急いでるや?今しか出来へんこともあるんやで。勉強も大切やけど、若い時にしか、今のお前にしか出来へんことが。今のお前がやりたいこと、っちゅうか、夢みたいなことはないんか?」
「放っておいてください。僕は、これで満足なんです!先輩の親切は感謝していますが、僕の人生は僕が決めます!!」
 少し強めの口調で裕二に武司が言うと、裕二は苦笑いをしながら手を放した。
「そうやな。悪かった。なんか、わいの悪い、でしゃばり癖やな。気を悪うしたら堪忍な。もし気が向いたら飯一緒に食いに来いや。あ、あと、実がな、お前に勧められてから、ドラムっちゅう、太鼓の練習をしてるみたいやから、いつか機会があったら見たってなぁ。龍助とバンドやるために練習しとるって、冗談かと思ってたんやけど、少しは上手くなっているかもしれんから、褒めたってや。それも、気が向いたらで良いから。」
「…。」
 再度、裕二にお辞儀をして無言で武司はその場を立ち去った。図書室から出て教室へ向かう武司が、ボソッと呟く。
「今の自分にしか描けない、今の自分が追いかけたい夢か…。」
 
 

イラスト:hata_hataさん

 教室へ武司が入ろうとした時、飛び出してきた龍助とぶつかった。
「あ、ごめん。大丈夫?」
 ふらついた武司を龍助が支える。
「大丈夫だ。次から気をつけてくれ。君は幼少の頃からなんだか危なっかしいから。」
「そうだね。昔から、僕、ちょっとおっちょこちょいだから。ちょっとじゃないか。そうだ。今、武司君を探していたんだ。」
 頭をかきながら龍助が話した。
「?」
「この前、楽器屋でD.T.M.(デスク・トップ・ミュージック)のアドバイスしてくれてありがとう。あの後、更にお小遣いをためて、武司君が勧めてくれたシンセサイザーを買ったんだ。」
「それで何?」
 腕時計を気にしながら、武司が龍助に訪ねた。
「あぁ、もし良かったら、一緒に昼ごはんでも食べながら、また楽器や音楽の話を教えてもらえるとうれしいなぁ、って思って。みんなと一緒にランチしない?」
 先刻、裕二にも同じことを言われたのを思い出して、武司がため息をついて、冷たく言う。
「…。すまないが、僕は昼休みにやらないといけないことがあるんだ。予備校の予習とか。」
「そ、そうか。さすが、武司君だな。分かったよ。もし気が向いたら、一緒にご飯食べようね。みんなで屋上で待っているから。それじゃぁね。」
 にっこり笑顔で龍助が微笑むと、弁当を持って飛び出していった。爽やかな風が教室の窓から吹き込み武司の髪を揺らす。そして、彼は教室の端の自分の席へ向かった。
 外は少し曇ってきていたが雨が降る様子も無く、ただ、雲が風で流れる様がいつもより速いように武司には感じられた。
 
 

イラスト:hata_hataさん

 人間界で朱里や龍助達が、また楽しい学園生活を過ごしていた頃、魔界のディアブロ王宮では、大広間にて大臣達が会議をしていた。その中には。遥の父であるディオール家頭首のダリル・ディオール(Daryl Diorl)やハイウェイ・シーズ(Highway Seeds)博士等が議論を交わしていたのだった。ボコーダーの様な変調した音声で、ディアブロ王も会議に参加している。
「最近、魔界,天界,人間界の異世界を区切っている壁に異常が起こり、魔獣が人間界へ迷い込むことが数件確認されている。過去にも、月の引力による潮の満ち引き等の影響と考えられる事象で、稀に起こったことがあったが、それとは少し傾向が違うようだ。詳細はシーズに報告させる。」
 シーズ博士が大型モニターに画像や資料を表示しながら次々と説明をしていく。大臣達が食い入るように聞き入っている。
「以上の様に、魔力が低い魔獣も壁を越えることがあり、その魔獣自体も少し凶暴化している傾向があるようじゃ。現在、魔界でも精鋭部隊のレジェンド在籍であるM.に緊急対策本部を立ち上げさせた。まずは、安全対策として異世界との接触による混乱をさけるべく警備を強化させておる。それから、特務として、例の者にもあることを調べさせておる最中じゃ。」
 シーズ博士の説明が終わると、最後にディアブロ王がゆっくりと念を入れて話した。
「原因が分からない以上、各大臣も魔界の民を安心させるように全力を尽くして欲しい。」
「分かりました。」
 会議を終えて、各大臣が大広間を出て行く。大広間に誰もいなくなったのを確認後、別室にて会議に参加していたディアブロ王が独り呟いた。
「退役したというのに、すまんな。アル…。」
 
 
 昼食を食べに、教官室への用事を済ました龍助が校舎の屋上へやって来た。そこには、クラスメートで仲の良い仲間がランチを楽しんでいた。朱里,遥,沢崎千夏(さわざき ちか),松本恵(まつもと めぐみ)や光,実、そして先輩の裕二もいる。龍助が辺りを見渡すが、武司の姿は無かった。
「龍助君、どうしたの?」
 実が龍助に尋ねる。実と朱里の横に座って、お弁当箱を開けながら答える。
「いや、武司君は来ていないかな?って思って。」
 光がカレーパンをかじりながら龍助のところへやって来て言う。
「あいつならいつもの様に図書室か、教室だろ?」
「何か、肩に力が入りすぎやな、武司は…。」
 裕二が話しながら千夏の弁当のおかずをつまみ食いしようとしたが、千夏が箸で彼の指をつまんで阻止する。裕二が舌打ちをして、千夏が少し舌を出してアッカンベーをしてから続く。
 
「小学生の頃は一緒に遊んでいたのにね。なんか中学へ進学して、クラスがばらばらになってから変わっちゃって、少し近づきにくくなったかも。」
「みんなでご飯を食べると楽しいのにね?」
 龍助の横でお弁当を食べている朱里が恵ににっこり微笑む。
「…。」

イラスト:hata_hataさん

 恥ずかしがり屋で口数の少ない恵が、心配そうにうつむく。それに気が付いた遥がフォローする。
「まぁ、人それぞれだから。小島君も無理してあたし達に合わせることも無いし。それにしても相変わらず恵はお弁当美味しそうに作るわね。」
「そ、そんなこと無いよ…。は、遥ちゃんのお弁当も美味しそうだよ。」
 遥と恵が手作りのお弁当を褒めあっているのを見た実が、少し鼻をクンクンしながら何かをかぎつけた様に言う。
「あら、そこの二人は何だか仲良しじゃない?美味しいお弁当作りに精が出るって、恋の予感かしら?」
「そ、そんなんじゃない!!」
 遥と恵が少し赤くなって、慌てて否定する。
「あら、あら、図星!!!悪いけど、光様は渡さないんだから!」
 実の本能の恋の予感は当たっているのかもしれないが、龍助への片思いが実へばれてしまったかと一瞬焦った遥だったが、少しずれた予想に、ほっとした。恋の予感で少しテンションが上がっている実に呆れながら光が話題を変える。
 
「また、訳分からんことを…。そう言えば、実はドラム、少しは上手くなったのか?8ビートぐらいは叩ける様になったのかよ?」
「あら、あたいを誰だと思っているの?光様。武司が『歩く電脳』だったら、あたいは『グルーヴィー☆ドラマー実』よ~!!!ちゃんと『ルーヴィー』と『ドラマー』の間には星印を入れているんだから、超キュートでソウルフルでしょう?」
 胸を張って、箸をスティックの様にドラミングの真似をしてから、くるくるっと回してポーズをとる。
 
「……。」
 
 あまりのネーミングのセンスに一同が沈黙。はっ、となって、ボケた訳ではない実に光が突っ込む。
「みんながリアクション取れなくて困るから…。」
「なんだかソウルフルなネーミングというより、お腹壊しそうなデンジャラスなソウルフードな感じやな。もうちょっと、お前は空気を読んでボケ方を勉強しなくちゃ。」
 いつもボケで滑っている裕二も少し偉そうにアドバイスをした。
「あら、失礼ね!あたいは、ま・じ・めに言ったのに!」
 
 光が実をなだめていたが、ドラミングの真似事に一人感動していた龍助が割って入る。
「ねぇ!今日の放課後、僕も実君のドラムを聞きに行っても良い?」
 それを聞いて、朱里も続いた。
「私も!ラクロス部へ行く前に少し軽音楽部の部室を覗いてみたい。」
「今すぐでも良いわよ~!!!まぁ、あたいのドラミングにドギモ抜かれないでよ!」
 実が機嫌を直して、またヒートアップを始めたのを横目に、龍助達へ光が苦笑いをしながらアドバイスをする。
「あまりがっかりもしない程度に、期待しないでおいてやれよ。」
 龍助が行くと聞いて少し気にしながらも平静を装ってお弁当を食べている遥にも、朱里が尋ねる。
「遥ちゃんも行く?」
「あ、あたしは、恵と少し相談があるから…ね?ラクロス部の練習には遅れないようにするわ。」
 恵は小さく2回うなずく。遥の相談事とは、恵にお弁当作りのレクチャーを受けるためだった。
「わい、少し寄るとこあるから先に行くわ。じゃぁな!」
 弁当を食べ終わった裕二が一足先に、屋上を出て図書室へ向かって行った。
 
 
 その日の、放課後、朱里と龍助が二人で軽音楽部の部室へ足を運んだ。龍助の隣のクラスの実は、まだ部室には来ていないようだった。二人は先に部室へ入って待っていることにした。
 
『けいおん☆部』と書かれた張り紙を張られた重いドアを開けて、ゆっくりと部室へ入る。楽器や楽譜などで散らかっているかと思いきや、部室の中は綺麗に片付いており、壁には『整理整頓、そして楽しく練習!by.グルーヴィ☆ドラマー実(部長)』と張り紙が張ってあった。
 軽音楽部は、龍助達の一つ上の学年の二年生が数人在籍していたが名ばかりで、練習よりも好きな音楽を部室で聴いていることが多く、ファッション的に音楽を楽しんでいる程度だった。そこへ、熱血な実が入部し、散らかっていた部室を綺麗に片付け、一人もくもくとドラムを練習をしていた。すぐに辞めてしまうだろうと、最初は冷ややかに実のことを見ていた二年生の先輩達からも、誰とでも気兼ねなく接することの出来る彼のユニークなキャラと練習への取り組みを見ていていつからか一目を置かれる様になり、実が部長に推薦されたらしい。押し付けられたという噂もあるのだが。
 
「実君って、本当に綺麗好きなんだなぁ。やっぱり、好きな音楽を練習する場所だから、気分良く音楽が出来るように綺麗な方が良いよね。散らかっていると楽譜が何処いっちゃったか分からなくなったりしても何だし。」
 龍助が部室を見渡しながら、ドラムセットの置いてある方へ歩いていく。
「ねぇ、マイクはまだスピーカーにつながってないんだね?」
 朱里が中央にセッティングされているマイクスタンドのところに立って、龍助に尋ねる。
「そうみたいだね。配線はされているみたいだけど、スピーカーの音を出すアンプやミキサーっていう機材なんかの電源を入れないと音は出ないよ。」
 朱里がマイクの前に立っている姿を見つめながら、龍助はドラムセットの椅子に腰掛ける。
 
 朱里がおもむろにマイクスタンドに手をかけて歌いだす。その歌は、龍助から借りた携帯音楽プレイヤーに入っていて良く聞いていた[let it go!!]だった。
「目覚めた時から ずっと
心が きっと 何か感じてる」
 
 すると、朱里の鞄の中にいた小さな可愛いドラゴンの形をしているリラが部室に龍助と朱里しかいないことを確認して、歌に引き寄せられるように出てきた。小さな翼でパタパタと朱里の周りを飛びまわって、ご機嫌の様だ。

イラスト:hata_hataさん

「ちょっと オシャレで気分かえたら
もっと 楽しい 
夢の続き 見つけに行こう」
 
 マイクの音声は、機材の電源が入っていないためにつながっていないのだが、明るく歌う朱里の姿を見ながら、龍助の目にはまるで彼女がライブステージに立ってバンド演奏をバックに歌っている様に感じていたのだった。
「とびだそう let it go!!
宝の島 探して
このまま let it go!!
心の翼 拡げて」
 
 歌い終わると、朱里がちょっぴり照れくさそうに龍助を見つめた。龍助が拍手をする。
「とても上手だったよ。マイクがつながってなかったり、伴奏のオケも鳴ってなくてアカペラだったけど、なんだか特等席でライブを見ている気分だった。」
「ありがとう。」
 朱里が龍助にお礼を言って、少し貴族の様にスカートを持って頭を下げて、にこっと笑う。すると、朱里の胸元にある宝具『L'aile du coeur(心の翼)』に、hotpinkのクリスタルが輝いた。
「この歌も『L.D.C.』の”Espoir”なんだね。なんだか元気な明るい色のクリスタルが輝いているわ。」
 朱里がペンダント型の『L.D.C.』を触りながら言う。
「そうだね。ねぇ、麻宮さんも…。」
 龍助が朱里に何か言おうとしたその瞬間、突然、校内放送の呼び出し音が流れる。
「校内放送です。至急、一年の沢崎千夏,一色遥,麻宮朱里は、教官室の稲葉のところへ来てください。沢崎,一色,麻宮の三名は、教官室の稲葉のところへ来てください。以上。」
 稲葉美咲(いなば みさき)は龍助のクラス(1年C組)の担任の教官である。活発な性格で生徒にも人気がある。
 
「あ、稲葉先生だ。きっと、ラクロス部の次の試合の件だわ。」
「急いだ方が良いね。みんなを待たせるといけないから。」
「実君のドラムも見たかったのになぁ。また今度遊びに来ると伝えておいてね。」
「分かったよ。そう伝えておくよ。」
「お願いね。…あら?」

イラスト:hata_hataさん

 朱里と龍助が会話を交わしてから、朱里がふとマイクスタンドに目をやると、そこにはリラがマイクにかじりつく様にして小さな声で歌っていたのだった。どうやら、朱里の様にリラもマイクに向かってステージに立っているようなイメージだった様だ。
 その可愛い姿を二人が見ていると、その視線に気が付いたリラがはっとして、少し真っ赤になって恥ずかしそうにもじもじしながら言う。
「な、何だよ。二人とも…。」
 それを見た朱里が、優しくリラの頭をなぜてあげてウィンクをする。
「リラも歌いたかったんだよね?リラも歌が好きだから。私も歌が好きだもん。」
「そうだね。リラも歌が好きなんだよね。僕も麻宮さんやリラが好きになる様な音楽を演奏したり出来ると良いなぁ。」
「そうだ、リラ。教官室へ行かないといけないから、鞄に戻ってね。ごめんね。」
 朱里がリラを鞄に戻し、龍助に手を振って軽音楽部の部室を出たのだった。
 
 
 それから5分ほど経って、部室へご機嫌な実が入ってくる。
「ジャ、ジャーン!!待たせたわね。あたいの出番ね!」
 
 
to be continued...

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■Episode 001:

♪:[blue]

■Episode 002:

♪:[light pink -I love you.-]

■Episode 003:

♪:[nu.ku.mo.ri.]

■Episode 004:

♪:[real]

■Episode 005:

♪:[color]

■Episode 006:

♪:[my wings]

■Episode 007:

♪:[I'll be there soon.(すぐ行くよ)]

■Episode 008:

♪:[promise]

イラスト:hata_hataさん

■Episode 017:

♪:[ドキ×2]

■Episode 018:

♪:[let it go!!]

■Episode 019:

♪:[N]

■Episode 020:

♪:[tears in love]
♪:[destiny]

■Episode 021:

♪:[Touch to your heart!]
♪:[you and me]

■Episode 022:

♪:[Happy Happy Love]

■Episode 023:

♪:[INFINITY]

■Episode 024:

♪:[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]

■Episode 025:

♪:[pain]

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[interrupt feat.神威がくぽ] shin


音楽配信:VOCALOTRACKS
VOCALOTRACKS様にてがくっぽいど曲1曲iTunesほか各配信サイトへ2018年11月21日配信開始!!『がくっぽいど(神威がくぽ) 10th Anniversary オリジナル楽曲』
(楽曲:shin イラスト:hata_hata様)

 

[above feat.神威がくぽ] shin


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[monologue feat.神威がくぽ] shin


[reduction feat.神威がくぽ] shin


[voice feat.神威がくぽ] shin


音楽配信:VOCALOTRACKS
VOCALOTRACKS様にてがくっぽいど曲をiTunesやAmazonほかを含む全 配信サイトにて一般配信中!!『がくっぽいど(神威がくぽ) Anniversary オリジナル楽曲』
(楽曲:shin イラスト:hata_hata様)

CIRCLE[shin entertainment]

一色遥(学生服姿)

イラスト:hata_hataさん