Episode 020
星屑のかけら(前編)

music:[tears in love]


前回までの『L.D.C.』

 人間界で生活をしていた南龍助は、魔界から来た少女、麻宮朱里と出会い、朱里の『L.D.C.』に"Espoir"のクリスタルを集めながら人間界で学園生活を送っていた。
 
 龍助はバンドメンバーに武司を誘い練習を見てもらったことで、バンドメンバーには参加するまでにはいたっていないが、音を通して交流することで少し微笑みを取り戻し、時々放課後に遊びに来るようになる。そして、武司は龍助に赤いショルダーキーボードを貸してくれた。
 
 また、最近人間界に何か異変が起きていることを調査するべく、ディアブロ王の特命でアルとM.が人間界へ派遣される。アルと共に龍助達は『星の塚公園』へ向かったのだった...。

『星の塚公園』へ着くと、リラとリコは人に見つからないようにカバンの中へ隠れた。
「おじちゃん、あっちみて!きれいだよ。あっちへいこう!」
「分かったから、髪を引っ張るな。それにおじ様じゃなくてお兄さんだ!」
 アルに肩車をしてもらって目を輝かせて楽しそうにしている由依の後姿を見ながら遥が歩く。相変わらず元気そうなアルの様子を見てほっとしていたのだった。
 龍助と光と朱里がアルに続き、少し後ろを遥とM.が離れて歩いていた。M.が周りに気づかれないように小さな声で遥にささやく。
「なんだか由依ちゃんはアルになついちゃったわね。ミーも意外。ところで、遥はその後どうなのよ?龍助僕ちゃん,佐伯光,アルと三人もいい男が近くにいてうらやましい。一人分けて欲しいぐらいよ。」

イラスト:hata_hataさん

「そ、そんなんじゃないわよ。それになんで、アルが入ってるの。」
 M.のささやきに遥が慌てる。
「と、いうことは、佐伯光って良い関係なの?さっき、アルがあんたの肩に腕を回したらむすっとしていた気がしたから、彼はあんたに気があるのかも?ミーの勘だと。」
 ますます遥が真っ赤になって否定する。
「な、何を言っているのよ。た、唯の同級生よ。そう、同級生。」
「それだけかしら?まぁ、龍助僕ちゃんへの想いが叶うと良いわね。でも、近くであなたを守ってくれるナイトも悪くなくてよ。恋は盲目っていうから、ミーからのア・ド・バ・イ・ス!」
 M.がウィンクして軽い投げキッスをする。
「さ・て・と。光とも友好を深めようかしら。もたもたしていると、ミーのナイトになっちゃうかも。なんて。遥、やっと笑ったわね。元気そうで何よりだわ。」
 あっけにとられた後で、遥がくすっと笑ったのを確認すると、M.は光の方へ走っていく。どうやら、M.なりに遥を気遣っていたらしい。
「佐伯君か…。」
 龍助と光を後ろから見つめながら、光がキメラの攻撃から自分をかばってくれたことを思い出していた。遥にとって、光は龍助の幼馴染であり、魔界へ朱里を奪還しに行った時に信じて待っていた仲間の一人だった。しかし、遥の中で、光の存在も少しずつ以前と変わってきていることをM.のおせっかいなアドバイスで感じ始めていたのだった。
 
 

イラスト:hata_hataさん

「ここで、由依ちゃんの生まれた卵を龍助君と見つけたんだよ。」
 以前、μと記された卵を見つけた場所を通りがかって、朱里が指差して言う。
「μと記された卵だったよね。あの時はびっくりした。」
「そうか。ここで、由依ちゃんは龍助達と出会ったんだ。俺が先に拾っていたらなぁ。」
「アル!研究物じゃないんだから。」
 遥がアルに注意する。
「分かっているって。」
 アルの肩の上で何か感慨にふけったように黙ったままだった由依の目が少し潤む。
「…。ここでゆいはじゅりとりゅうすけにであったんだね。やさしいじゅりとりゅうすけでよかった。リラもいるし。」
「私達も由依ちゃんと出会えて幸せだよ。」
 アルが肩車していた由依をおろしながら、朱里に渡して抱っこさせてやる。そして頭をなぜてあげながらやさしく声をかけた。
「そうだな。独りぼっちは寂しいもんな。由依ちゃんは仲間が一杯で良かったな。俺もちょっぴりうらやましいぜ。」
 

イラスト:hata_hataさん

「ゆいが、おにいさんのおともだちになってあげる。」
 
 その言葉にアルが由依の頭をなぜる手が一瞬止まるが、慌ててちょっと強めに髪が少しぐちゃぐちゃになるぐらい頭をなぜながら上を向く。
「おじさん、うれしいかも。ありがとな。友達だ。」
「何、由依ちゃんの言葉に照れているだよ。」
 龍助がアルの背中を軽くたたいて言う。朱里もうなずきながら由依を抱きしめつつ言う。鞄の中からリラも顔をこっそりのぞかせてアルの様子を伺う。
「そうだよ。リラもリコちゃんもみんなも、私達、アルさんの仲間でしょ。」
「まぁ、そういうことにしておいてあげるわ。」
 遥も鞄の中のリコをなぜてやりながらにっこりする。
 
「?」
 ふと、龍助と朱里が龍助達を見ている何者かの視線を感じて振り返ったが、そこには誰もいなかった。
「気のせいかな?誰かが僕らを見ている気がしたんだけど…。」
「魔族の者とは違う様な…。聖属性の魔力…?一瞬、かすかに女性の魔力を感じた様な気がしたんだけど、気のせいかしら…。」
 二人とも気のせいと思い何も言わなかった。
 
「そうだ。由依ちゃんとお友達になった印にこれをプレゼントしよう。『星屑のかけら』というネックレスだ。ちょっとアクセサリーは早いかもしれないけど、おませな由依ちゃんにお誕生日祝いも兼ねて。誕生日は分からないけど。」
 ポケットから取り出したネックレスを由依の首にかけてあげる。
「ありがとう。ある。」
 由依がアルのほっぺにキスをしてあげる。
「どういたしまして、お嬢様。とてもお似合いですよ。大きくなって年頃になったら、私目とこれをつけて是非ダンスでも。」
 アルが少しジェントルマンな感じで受け答えすると、由依も真似をした。
「よろしくてよ。」
 
「もう、アルは手が早いんだから。ミーもびっくり。」
 M.が飽きれながらお手上げのポーズをしてため息をする。
「ほんと、由依ちゃんも気をつけなさい。それにしても、あたしにも何もプレゼントなんてしてもらったこともないのに…。」
 遥がボソッと言う。
「今は、由依ちゃんへのプレゼントしかないけど、いつか遥にも何かプレゼントするぜ。それから朱里ちゃんにも。」
「べ、別にいらないわよ。」
 遥がぷいっとすると、由依が遥に向かって首にかかっているネックレスを小さな手で持って差し出す。
「ゆいがはるかおねえちゃんにもかしてあげるよ。」
「あ、ありがとうね。ゆいちゃんはやさしいのね。今はせっかく貰ったんだから由依ちゃんが付けていてね。いつか機会があったら貸してもらうわね。」
 遥が機嫌を直して由依に微笑んだ。
 
 由依がネックレスを首に付け直した瞬間、突然ネックレスが輝きだした。
「何が起こったんだ?」
「ねぇ、あっちを見ろよ!」
 アルがびっくりして光り輝いたネックレスに顔を近づけて見ると、龍助の横にいた光が龍助の肩をゆすって少し離れた場所を指差す。指差した先の地面にうっすらと魔方陣が浮かびだした。
「あれは、隕石が墜落したといわれていた場所じゃないか?」
 龍助と光と遥がその場所にかけて行く。
「これは、鍵だったのかしら?あそこは探したのに何も見つからなかったじゃない?」
「どうだろうな?何か起きたのに間違いないが。」
 M.とアルが顔を合わせてから、追いかける。朱里と由依が取り残されたが、鞄の中からリラが飛び出して言う。

イラスト:hata_hataさん

「なんだか怖いから、おいら達は帰る?」
「あら?リラは怖いのかしら?」
「りらはおとこのこでしょう?」
 朱里と由依が言うと、少し怯えていたリラがちょっと胸を張って言う。
「おいらは、偉大なドラゴンだぞ!怖くない!」
「だったら私達も行きましょう。」
「さすがりらだね。だいじょうぶ。りゅうすけも、じゅりも、はるかおねえちゃんも、りこも、ひかるおにいさんも、あるおにいさんも、えむさんもいるから。ひとりじゃないよ。」
「お、おう!!まかせておけ!!」
 微妙に由依に励まされてリラ達も現場に向かった。
 
 
 由依が近づくと魔法陣の光が更に輝いた。
「そのネックレスに呼応しているの?」
「遥が言うように、どうやらそうみたいだ。だけど、数日前にもここを調査したが、その時にも俺が『星屑のかけら』を持っていたけど何も起こらなかったんだ。」
 魔方陣を前に立った龍助達が考える。
「何か、発動の条件があるんだね。きっと。」
「龍助君の言う通りかも。私の『L.D.C.』のクリスタルでも、同じ歌を歌ってもクリスタルにならなかったのに、突然、クリスタルになった時があるの。」
 メモを取りながらアルが少し興奮気味に魔方陣により近づく。

イラスト:hata_hataさん

「なんだか、わくわくするぜ。トレジャーハンターとしては。」
「アル!お宝探しはどうでも良いの。ねぇ、リコ?」
「そうですよ、アル様。ディアブロ様の任務をお忘れなく。」
「分かっているって。もう~、遥にどんどん似てくるんだから。可愛いけど。」
「それって、あたしが可愛くないってこと?」
 遥が片手を腰にやって少しぷんぷん怒りながらアルに言うと、龍助がヒートアップしないように仲裁に入る。
「まぁまぁ。遥ちゃんは可愛いよ。ねぇ、光?」
「え、俺に振るのか?あぁ、まぁ。学園でも一色は人気みたいだから。あ、祐二先輩がそう言っていた。」
 慌てて、光が少し照れ気味に言う。遥は龍助に可愛いと言われて少しデレッとしていた。光の姿を見て、M.が口を開く。
「なんか光もぎこちないなぁ。ミーはそんな光も素敵で良いと思うけど。」
「あ、ありがとう。なんか、M.さん、実みたいでわけ分からない感じだけど。」
「お後がよろしいようで、ここは超ベテラン・トレジャー・ハンターのアル様がお先に飛び込むぜ!」
 アルがペンライトを鞄から取り出して、残りのペンライトを龍助に渡すと飛び込んだ。
「あ、ちょっと待って!ミーも頂いていくわね!お先っ!」
 続いてM.も飛び込む。
 
「あたしにも貸して。」
 遥がペンライトをとって飛び込もうとした時、光が遥の腕を引っ張って止めた。
「ちょっと待て、一色。お前、少し落ち着けよ。競争じゃないんだぞ。」
「わ、分かってるわよ…。」
 しっかり遥の腕を握ったまま龍助に尋ねる。
「俺にもペンライトあるか?」
「後、残りニ本だよ。」
 龍助が手の中のペンライトを両手に一本ずつ持って見せた。
「だったら、龍助と朱里で一本。由依ちゃんとリラで一本だ。俺は一色と行く。放っておくと突っ走って行きそうだから。良いな?一色。一色,リコ,俺で一本だ。」
「…うん。」
 光の指示に、遥が急になんだかしおらしくなってうなずく。リコが、光の側を飛びながら光にぽっとなる。
「はいですの。光様…。ぽっ。」
 
「由依ちゃんがいるから、俺達は一番最後のシンガリだ。この先は何が起こるか分からないんだろう?」
 龍助が光の話しにうなずきながら、由依の方へ視線を向ける。

イラスト:hata_hataさん

「そうだね。僕と麻宮さんが由依ちゃんを守るよ。残っていた方が良いのかもしれないけど、由依ちゃんを一人で残していけないし。」
「おるすばんは、いや。」
 朱里のスカートを引っ張りながら、由依が寂しそうにする。
「龍助君がちゃんと由依ちゃんの気持ちを分かっているわよ。私も守るから由依ちゃんも良い子にしていてね。」
「うん。だったら、ゆいはりらをまもる。」
「あ、おいら守られる役回りなんだ…。」
 少し拍子抜けしたリラを励ますようにリコが声をかける。
「リラ、がんばってね。いざとなった時には、私はre-callで遥様と、あなたはre-writeで龍助様と共にお力添えをしましょう。」
「お、おう。リコも気をつけてな。おいら頑張るぞ。」
 先に龍助がペンライトを持ってリラを肩に乗せて飛び込み、次に朱里と由依が手をつないで由依がペンライトを振りながら飛び込んで行った。
 
「さっきは悪かった。ちょっと強く言い過ぎた。一色、頑張りやだから、心配して思わず…。」
「う、ううん。あたしもごめんなさい。それから心配してくれてありがとう。佐伯君の指示が正しかったよ。」
「じゃぁ、行くか。手をつなぐのが恥ずかしかったら、腕を掴め。離れ離れになって、俺が迷子になっても困るしな。」
 照れくささを隠しつつ、にこっとしながら光が左腕を差し出す。先ほどのM.との恋愛話を思い出してしまい、変に意識して遥がどきどきしながらちょっと照れくさそうに、腕につかまる。リコも遥の右肩に停まって、光を見つめた。
「よし、飛び込むぞ。」
 遥達も魔方陣へ飛び込んだ。
 
 
 その様子を後方から伺っていた人影が魔方陣へ近づいた。そして、少し時間を空けてその人影も魔方陣へ飛び込んだ。そして、魔方陣は消えたのであった。
 
 
 魔方陣に飛び込んだ朱里が龍助のすぐ後ろを移動しながら、彼の背中を見つめる。
「龍助君…。最近、なんだかちょっとぎこちなくなってしまったけど…、私は守るよ…。あなたを。」
と、朱里が心の中で小さく誓った。
 彼への想いが朱里の心の中である歌になって流れる。その曲は[tears in love]だった。以前、魔界へ朱里を奪還へ向かった時に遥が借りた龍助の携帯音楽プレイヤーを、朱里奪還後、遥は「朱里を奪還するまで貸してもらう」という約束通り返却し、再び龍助から朱里が借りていた。その携帯音楽プレイヤーの中に入っていた曲の一つで時々聞いていたのだった。
 
「私の声 今は届かない
視線の先 あなたがいる...
 
高まる想いと共に
新たな世界へのドアを開こう」
 
 暗闇の中で向こう側に魔方陣が見えて、ペンライトの光が見える。
 魔方陣を抜けて、龍助達も着地した。地面にペンライトがひとつ落ちているのを確認したと同時に、突然、稲妻が走り龍助達に向かってきた。
「龍助君!危ない!」

イラスト:hata_hataさん

 朱里が叫んで、一瞬でデビルモードにモードチェンジして龍助をかばおうと踏み込んで前に飛び出した時、目の前で稲妻が弾き飛ばされた。ピンクの朱里の髪がゆっくりと揺れる。目の前にはM.がデビルモードにモードチェンジして仁王立ちで立っていた。
「これぐらい、素手でも弾き飛ばせるわ。」
 次々と飛んでくる稲妻にタイミングを合わせて、稲妻を両手の手で弾き飛ばしてゆく。M.は魔界の精鋭である『レジェンド』の中でも、武器に頼らない素手での戦闘にも長けていた。
「M.さん、ありがとう。麻宮さんも。」
「そんなことより、早くおいら達も。」
「そうだね。リラ、僕と一緒に戦って、re-write!」
 リラが光包まれて、剣二本のフォームにフォームチェンジし、龍助が構えて、飛んでくる雷属性魔法を剣で弾き飛ばした。
 
「Light of revolution!」
 朱里も胸元の『L.D.C.』をロッドへフォームチェンジさせて、すぐに火属性の結界を張る。
「由依ちゃん、私から離れないでね。」
「うん。よいこにしているよ。」
「アルは何処?」
 落ちているペンライトを拾ってM.に渡しながら龍助が見渡す。
「いないのよ。ミー達とは違う場所へ出たのかしら。ここもトラップが一杯みたいだから、気をつけてね。これは、ミーがうっかり発動させてしまったみたい。良くあることね。」
「…。まぁ、ここにとどまっていても魔力を消耗して危険だから、先に進もう。大丈夫?麻宮さんも?」
 
 朱里が由依の手を左手でしっかり握って、右手のロッドで右側を指す。
「分かったわ。龍助君。あそこの洞穴が見える。この攻撃は規則性のあるリズムだから、合間を縫ってそこへ非難しましょう。」
「おんがくみたいだね。ゆい、なんだかたのしい。」
 きゃっきゃっ楽しそうにしている由依をM.が見ながら作戦を練る。
「頼もしいお嬢ちゃんだこと。やっぱり不思議な子ね。ミーが、この子をおんぶするから、龍助僕ちゃんが先に行って場所の確認。それから、ミーと由依ちゃん。レディーを最後に残すのは悪いけど、朱里ちゃんは最後で援護お願い。」
「分かったわ。」
 朱里がロッドを左右に振って魔法を唱えると、龍助,朱里,由依,M.それぞれの周りに魔方陣が二重になって回る。[N.]のクリスタルの効果のようだ。
「これで、少しは雷効果を弾き飛ばせるわ。後は、私の魔法で援護するから。」
 そう言うと、朱里は『L.D.C.』のロッドを振りながら更に[tears in love]を歌い始めた。
 
「Shining dream! I sing songs for you forever
このメロディーと共に
Going ahead! 迷わずにいつも
あなただけを見つめて信じているよ」
 
 彼女の歌声を聞きながら、龍助が勇気を振り絞って、雷属性の攻撃魔法のリズムの切れ目で、走りだした。剣で防御姿勢をとりつつ洞穴の入り口まで滑り込む。
 
「過ぎた日々に何かを感じて
涙と笑顔重ねてきた...
 
今を生きていることを
体中感じてもっと自分らしく」
 
 中の安全を確認して、龍助が手招きすると、M.が由依をおんぶしたまま走りこむ。由依に襲い掛かる雷魔法は、朱里が後方から火属性の魔法で次々と粉砕していく。洞穴に退避できたのを確認して、朱里の周りに張っていた結界を解き、朱里も走り出す。
 
「Shining dream! I sing songs for you forever
遠く離れていても
Going ahead! まっすぐに届け
力強く未来へ両手広げて」
 
 洞穴の前では龍助が手を伸ばして待っている。
 
「伝えて想いをあなたの心へ
うごめく世界であなたと出逢った...
 
流れる涙...零れ落ちてく...
tears in love...煌いて...今...あなたの心へ」
 
 朱里は三度ステップで雷属性の魔法をかわして龍助の方へ走りこみ、龍助が腕を引っ張って朱里を抱きしめる形で洞穴へ引き込む。
「いつまで、抱きしめてるのかしら、王子様はお姫様を…。」
 M.の言葉で、二人がはっとなって、離れる。
「じゅりとりゅうすけのじゃましちゃだめだよ。いいところなのに。」
「あら、由依ちゃんってなかなかおませね。つい、ミーもやきもち焼いちゃったわ。で、邪魔したからって肩に噛み付かないでね…。由依ちゃん。怪獣じゃないんだから。」
 由依が軽く噛み付いているのをやめる。
 『L.D.C.』がロッドのフォームからペンダントのフォームへフォームチェンジする。すると、朱里の胸元にある宝具『L'aile du coeur(心の翼)』に、RoyalBlueのクリスタルが輝いていた。
「遥ちゃんと光君もどこか違う所へ着地したのかしら?アルさんも姿が見えないし無事だと良いけど。まずは合流しなくちゃ。」
「そうだね。この洞穴の先が続いているから前に進もう。さっきの場所は他に道はなかったから。魔方陣も消えちゃったし。」
 
 

イラスト:hata_hataさん

「遥様。私達以外の魔力を感じなくなりました。」
「そうね。違う場所に隔離されているのかしら。行くわよ、リコ!re-call。」
 リコのアドバイスを聞いて、遥がデビルモードへモードチェンジし、続いてリコをre-callさせて盾にフォームチェンジさせて左手に装着する。光の額に汗が流れる。
「佐伯君。どうやら、みんなとは違う所へ出そうだから、気を付けて。きっと何かかしらトラップか何かの危険があるかもしれない。」
「分かった。一色、自分を犠牲にしたような無茶だけは駄目だからな。俺も足を引っ張らないように気を付ける。」
 魔方陣を出ると同時に、遥は光の前に出てリコの盾を構え防御姿勢をとり、ロッドを取り出して氷属性の結界を張る。
 光は周りを見渡して、異常がないか、確認する。砂地の静かな場所で、ペンライトと結界がその場所を照らす。
「とりあえず、大丈夫みたいね。」
「龍助達とははぐれてしまったみたいだ。俺達が出たと同時に、魔方陣も消えてしまったし。まずは、彼らを探さないと。」
 遥が結界を解いて、周りを見渡していると、光が足元に転がっている棒切れを見つけて拾って左手で持つ。
「これでも無いよりは何かの役に立つかも。」
「そうね。どうやら、先へ進むしかないようだけど、道が3つあるわ。どれが良いのかしら。左,右,それとも真ん中?」
 
 そう言った瞬間、大きな地響きがした。そして、アルが左の出口から飛び出してきた。
「アルー!!……!?」
「うぉ~、なんだか魔獣の巣に出てしまったようで、逃げてきたんだ。お前達も早く逃げろー!」
 アルが叫ぶ。アルの後ろには魔獣が沢山迫ってきていた。暗闇に赤い目がいっせいに光る。
「え、右と真ん中、どっちの道へ行けば良いのよ!」
「一色、こっちだ!!」
 光が遥の手を握って真ん中の道へ走り出した。
「右側の道のかなり奥にもうっすら赤い光が見えた。おそらく魔獣というやつの目の光だろう。俺は、魔力は感じ取れないけど、視力が良いから。それにテニスで鍛えた動体視力も人間の中では良い方だと思う。」
「それは助かるぜ。ここはどうやら、何らかのトラップが仕掛けられていて、魔力がちゃんと探知できないみたいだ。」
 遥達の後ろを走りながら、アルが鞄から道具を取り出し、魔獣の方へ投げた。一瞬、輝いて魔獣がひるむ。
 

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「お、目くらましにはなったか?あいつらは、暗闇の中で暮らしていたみたいだから、読み通り光り輝くものが意外に効果ありか。さすが、俺って魔界一の戦術師だなぁ。」
 しかし、魔獣が泣き声を上げて仲間を呼ぶ。右の道からも魔獣が出てきて、遥達を追いかけ始めた。
「何、仲間を呼ぶようなことしているのよ!まったく、とんだ戦術師だわ。」
「…。まぁ、あれだな。早く龍助達と合流して、まとめて退治するか。」
 のん気に応えるアルの鞄から宝石が見える。
「あんた、ひょっとしてその宝石を盗んだから、それを守っていた魔獣が怒って追いかけているんじゃないの?返してきなさいよ!!」
「あ、もう遅い。それに、これはここを抜けるために必要な鍵なんだ。」

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「だったら、あたしがまとめて退治してやるわ。アル避けてねー!!」
 振り返るとアルに向かって氷属性の攻撃魔法を矢継ぎ早に放つ。氷の矢が次々とアルと後方の魔獣の方へ向かっていく。
「うひょ、危ないって!うわぁ。うぉ!」
 アルが瞬時に鞄から武器の鞭を取り出し、自分の前の魔法だけ弾き飛ばしながら走る。
 後方では魔獣が遥の攻撃魔法を受けて、次々と悲鳴を上げている。
「なんとも派手な攻撃を。さすが、魔界でもゴージャスなディオール家のお嬢様。もっとおしとやかにできないかな?ピースフルな感じで。」
「うるさいわね。今の攻撃で、魔獣達が少し弱ったみたいだから、さっさと先を急ぐわよ!」
「了解!お嬢様のおっしゃる通りに。」
 
 
to be continued...

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■Episode 001:

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■Episode 002:

♪:[light pink -I love you.-]

■Episode 003:

♪:[nu.ku.mo.ri.]

■Episode 004:

♪:[real]

■Episode 005:

♪:[color]

■Episode 006:

♪:[my wings]

■Episode 007:

♪:[I'll be there soon.(すぐ行くよ)]

■Episode 008:

♪:[promise]

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■Episode 017:

♪:[ドキ×2]

■Episode 018:

♪:[let it go!!]

■Episode 019:

♪:[N]

■Episode 020:

♪:[tears in love]
♪:[destiny]

■Episode 021:

♪:[Touch to your heart!]
♪:[you and me]

■Episode 022:

♪:[Happy Happy Love]

■Episode 023:

♪:[INFINITY]

■Episode 024:

♪:[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]

■Episode 025:

♪:[pain]

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