L.D.C. Episode 013a of shin web

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Episode 013 前に進む理由(前編)

music:[ときめき]

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前回までの『L.D.C.』

LDC02_100_non_back.png 魔界から来た麻宮朱里を取り戻すために魔界へ突入した龍助,遥,リラは、新たに仲間になった魔界のトレジャーハンターであるアルと共に、一路、朱里が捕らわれている城へ向かっていた。

 野生のキメラのいる森で、龍助の優しさでキメラのボスであるメイラスを仲間にすることができた。

 また、龍助やアル達を追ってきたJ.は武器をbreak throughさせ、更に攻撃力を増して迫ってきた。龍助たちへの危険を裂けるためにアルが引きつけて、龍助たちから離れた場所へ移動し、彼の戦略により追い返したのだった。

 二匹のキメラに乗り、龍助たちは砂漠を渡っていた...。

「おいら、喉が渇いたぞ…。」
「まだ、砂漠に入ったばかりだよ。さっきから何度も水分を補給しているけど、次の町に着くまでもう少し我慢しなくちゃ。」
「そうよ、龍助の言う通りよ。リコみたいに大人しくしてなさい。ねぇ?」
「ハイです。ご主人様。」
 リコが遥の肩で、そっとにっこり微笑む。
「水ばかり飲んで、ますます水ぶくれになっちゃ、かっこよいドラゴンに成れないぞ。そうだ、良い方法を教えてやる。」
「え、かっこよいドラゴンに成れる方法か?おいら知りたいぞ。」
 リラが目の色を変えてアルに尋ねる。

「ははは。いや、悪い。喉の渇きを少し和らげる方法だ。舌先を上顎の内側の歯の付け根の辺りに当ててやると、唾が出て、それで少しは楽になる。あ、お前、ドラゴンの形しているから、口の構造が俺達と同じか分からないが。龍助や遥も試して見ると良いぞ。」
 リラががっかりしつつも、アルのアドバイスを参考に口をもごもごしているのを見ながら龍助が話す。
ryusuke_c.jpgイラスト:hata_hataさん「すごいね。さすがアル。トレジャーハンターって、いろいろ知っているんだね。」
「そうだろう、そうだろう。俺は、『魔界一のトレジャーハンター』なんだから。」
「『魔界一のベテラン盗掘師』の間違いじゃなくて?」
 にっこり遥が言う。
「そうさ、俺は『魔界一のベテラン盗掘師!』…っじゃないぞ。夢のある、トレジャーハンターなのさ。」

「まぁ、何でも良いわ。あたしだったら、得意の氷属性の魔法でこうやって空気中の水蒸気から氷の結晶を作って、軽い火属性の魔法で溶かせばあっという間に水が出来るの。」
 リコが用意したカップの中に氷の結晶を作って、そして解凍することであっという間にコップ一杯の水が溜まる。リコが小さな翼でパタパタと飛んでリラにコップを渡すと戻ってきて大人しく遥の肩に停まる。リラはうれしそうにリコから受け取ったコップに入った水を飲み干した。
「ぷふぁ~。生き返った。」

「ずるいよ~!遥、それはインチキ。なんか、魔法で何でも解決していたら、苦労の末に宝をゲットする時のトレジャーハントの充実感が無くなっちゃうジャン!」
「あたしは、トレジャーハントしているわけじゃないの。あんたなんかと一緒にしないでよ。それは、そうと、アル、次の街までどれくらいあるの?」
「『アル』とどれくらい『ある』をかけた駄洒落か?」
「くだらないことを言っているんだったら、あんたにはもう聞かない。帰って良いわよ。あたし達だけで行くから。」
 おちょけたアルを冷ややかな目で見てから、遥はぷいっとふくれっ面で顔を背けた。

「分かったよ。遥~。機嫌直してくれよ。お前が行きたいと言っているディアブロ様の居城は砂漠の向こうなんだけど、直進するにはちょっと距離があるから、補給も兼ねて少し遠回りして氷山地帯の手前に沿って、オアシスと村を経由しながら城下町の城門まで行く。まだ、オアシスまでもかなり時間かかりそうだ。」
 龍助たちは、野生のキメラがいる森を抜けて、砂漠を一路進んでいた。アルの説明によると、北に進むことでオアシスがあるのだが、西と東には砂漠に眠る古代の遺跡がいくつかあるそうだ。アルによって、オアシス到着後に遺跡に寄ってトレジャーハントして、その後、城へ向かう案が提案されたが、問答無用で遥によって却下されたのだった。龍助もアルに申し訳なかったが、朱里奪還のことを考えると遥に一票、という感じだった。
 彼らは、遥の実家があるディクセンオールの町で購入したマントのようなものを砂漠の砂避けに装着していた。勿論、小さいサイズでリラとリコにも装着させていて、そのリコの可愛い様子を見たリラは、ぽっ、と見惚れていたのだった。

 キメラのメイヨウにアルが乗り、キメラのメイラスに龍助と遥が乗っていた。龍助がメイラスの手綱を握って座って、彼の後ろに、遥が横を向く形で掴まっていた。彼らの肩にはリラとリコがそれぞれ停まっていて、いつでもバトルになった時に備えて臨戦態勢を取れるようにしていた。
「メイラスもメイヨウも本当にありがとうね。僕達の足だったら、かなり大変だね。この砂漠は。魔界には、日が昇らないようだけど、月の光がうっすら見えて曇りのようなんだね。暗くなったりもするし。」
 龍助がメイラスの上で優しくメイラスをなぜてやる。
「龍助様。あれは、人間界の月とは少し違いますが、魔界の月でございます。魔界には二つ月があるといわれております。普段は一つしか見えないそうですが、ある鏡を使うと、もう一つの月が浮かび上がるかもしれないという月にまつわる伝説がございます。」
「そうなんだ。君もいろいろ知っているんだね。ありがとうね。リコ。」
 お気に入りの龍助に声をかけてもらい、リコが、ぽっ、となっている。遥が少し苦笑いをする。
「リラ、北にあるオアシスに着いたら、今日はそこで野営だ。水もあるし、飯も食えるぞ。そこまで我慢しろ。良い子にしていたら飛び切り美味しいものを俺が作ってやるから!」
「め、飯!おいら我慢する。良い子にしている。」
 アルが龍助にウインクをして、龍助が遥とリコに微笑む。彼女達もうれしそうに笑顔で応える。
 彼らは曇り空の向こうにうっすらと光る月を眺めながら、ゆっくりと砂漠を進んでいく。


 その頃、ディアブロ王の居城の城下に存在する第一研究所から兵士宿舎へJ.が帰ってきていた。第一研究所には研究所の最高責任者であるシーズ博士がおり、龍助一行を捕らえる任務の失敗を報告した後で、魔力が完全に回復していない状態で傷ついた体で宿舎へ戻ったのだった。

 宿舎の大きな扉に近づくと、自動で扉が開く。J.が左腕を押さえるようにしながら歩いていると、部屋から出てきた涼とすれ違う。
「お、おい。」
 思わず、J.が声をかける。普段であれば、任務失敗の後で見たくも無い顔だったのだが、バトルの時にアルに言われたことで心が動いていたからだ。アルは「お前はもっと自分を大切にすることを覚えろ。そして、支えてくれている奴らのことに感謝できるようになれ。自分を大切に出来ない奴が、仲間を守るなんて出来ない。支えられていることに気付かず感謝すら出来ない奴には、戦いの中で冷静な判断は下せない。強くなりたいんだったら、まず、龍助みたいに人間らしくなってみろ。クローンとか、クローンじゃないとか、生まれが良いとか、悪いとかじゃないんだ。お前はお前だ。」と、言っていた。

 呼び止めたものの、自分は何がしたくて何をどう言ったら良いのか分からず、J.は、うつむいてしまった。J.のいつもと少し違う様子を感じつつも、クールに涼は声をかける。
「どうした?言いたくなければ無理に言わなくても良い。」
「?」
 予想外の言葉に驚き、彼なりに優しい言葉をかけてくれていることを察して、うつむいていた顔を上げる。不思議そうに見上げるJ.に続ける。
「誰だって知られたくないことの一つや二つはあるだろう?」
 涼の言葉に、思わずJ.が尋ねた。
「お前にもあるのか?」
「あぁ、生きていれば…、誰にだってな…。」
 普段、クールに振舞っている涼から聞いた言葉が、J.にとってとても新鮮で、彼の違った一面を見ることが出来た。涼のことを少し知ったことに、なぜかうれしさを感じていた。

「言いたくなったら、話ぐらいは聞いてやる。」
 涼が立ち去ろうとして言う。J.は、はっ、として、慌てて応える。
「その上から目線の言い方がきにくわないが…ありがとう…。」
「ふっ。」
 涼が少し微笑んで立ち去る。J.は何が言いたかったわけでもない。ただ、アルとのバトルの時に自分を支えてくれている者の存在を改めて考えた時に、ふと、涼のことを思ったからだった。
 彼女は、涼に何か言いたかったわけでもなく、ただ感謝の気持ちを込めて「ありがとう。」という言葉を口にしたかっただけだったのかもしれない。

「俺…いや、私は、アル・レインが言うように、まだ未熟なんだ。より鍛錬して、次こそはアル・レインにリベンジして勝ってやる。」
 ジャンヌは花の髪飾りを少し直して誰も見ていないのを確認してから、にっこり微笑んだ。彼女の心にも少し爽やかな風が吹き抜けていった様だった。


Julia_e_1.jpgイラスト:hata_hataさん 涼は、いつもの様に、朱里の拘束されている城に面会へ向かっていた。面会へ行く度に彼は一輪の花を持って行っていた。その数もかなり増えてきたようで、花束となって彼女の部屋の端にある花瓶へ生けられていた。水属性の癒し効果の魔法を少し注入しているので、花はしおれることも無く生き生きとしていた。
 朱里の胸元にある宝具『L.D.C.』は前回、12個のクリスタルがそろった時に、新たな形にフォームチェンジした。そして、何者かと通信が出来た。それ以来、まだ反応は無かったが、朱里はこちらには聞こえなくても、向こうには伝わっているのではないかと思い、『L.D.C.』から聞こえてきた声の主とμと記された卵に向かって時々、歌ってみたり、話しかけたりしていた。
「そういえば、こんなことがあったんだよ。」
 朱里が、μと記された卵を優しくなぜながら花束の丈の違いを見て微笑む…。


halcari_a1.jpgイラスト:hata_hataさん 龍助と朱里が休日に一緒に買い物へ出かけた時のことだった。リラは彼女の肩からかけたポシェットの中に入って付いて来ていた。遥も家の前で出会って、「あ、あたしもデパートへ行く!ちょ、ちょうど用事があったから。」と、二人になぜか付いてきていた。龍助たちが駅前のデパートで両親から頼まれた用事を済まし、その後で帽子売り場へ行った。フロアに着くなり、遥は可愛い帽子を見つけて、夢中であっちこっちと店内を回っていた。
 龍助は、ハンティング帽を少し恥ずかしそうに被って鏡に映る自分を見ていた。すると、後ろから朱里が覗き込みながら、微笑む。
「ちょっとだけ私の方が、背が高いかも。」
「え、そんなこと無いよ。僕の方が背は高いよ。まだ成長期だからそんなに背は高い方ではないけど、麻宮さんよりは背が高いはずだよ。」
 ぴったりと横に並んで鏡に映る二人を龍助が見て、少し赤くなる。朱里も、龍助と同じ形の帽子の色違いを被っている。

「ほら、私の方が大きいモン♪」
 可愛く朱里が言う。確かに、鏡にはちょっぴり龍助よりも朱里の方が、背が高いように見える。びっくりして、龍助が朱里の足元を見た。
「ヒールのせいじゃん…。」
 学生服とは違って、普段着のヒールの分高さが高くなっていたのだった。
「ふふ。あら、そうだったかしら。」
 朱里は少し舌を出して、明るくにこっと微笑んだ。龍助はドキッとした。
「な、何、あんた達、同じ帽子を被っているの。だ、だったら、あたしも同じのにする。」
「いや、別に一色さんまで同じ帽子を被らなくても。」
「遥ちゃん、今、被っている帽子も似合っているよ。リボンの色とお揃えなんだね。私もその帽子にしようかな。」
「そうよ。カラーコーディネートしているの。なんたって、あたしは貴族だから、庶民なあんた達と違ってハイセンスで無いと。あんたにも、あたしがコーディネートしてあげるわ。」
 そう言うと、朱里を連れてその日一日、帽子をいろいろと選んでファッションショーの様に朱里と遥が龍助の前で色々な帽子を被って見せたのであった。朱里にとって、龍助と遥との楽しい思い出の一つだった。


「今考えると、龍助君、少し背が小さいことを気にしていたのかな?背が高いのが良いのかな?私は優しい龍助君が好きなんだけど。そういえば、あんなこともあったんだよ。」
 朱里がうれしそうに、μと記された卵に向かってに話す。それは、龍助たちが通う学園でのことだった…。

 昼休みの時間、クラスメートの仲間達と昼食の約束をした龍助と朱里と遥が一緒に屋上へ向かった。
「よう、来よったか。あ、一色さんまでいらっしゃるとは。あ、痛い。」
 先に弁当を食べていた一つ先輩の裕二が、遥を意識したのを見て、千夏に腕をつねられる。
「はーい。裕二先輩は、大人しくご飯食べてい・よ・う・ね。可愛い子を見たらすぐ鼻の下伸ばして、まったく、だらしないんだから。」
 その様子を見て、光たちが笑う。手を振りながら実が朱里に尋ねる。

「あたいと光様は、今日は、パンだけど、朱里たちは?」
「私と龍助君は、龍助君のママの作ってくれたお弁当だよ。私も龍助君と手伝ったの。遥ちゃんも手作りのお弁当なんだよね?」
「まぁ…。朱里やりゅ、龍助にもいつか食べさせてあげても良いわよ。恵ちゃんのは今日も手作り?」
 遥が弁当の出来を気にしつつも、隣の恵の手のかかった弁当を見る。
「…うん。」
 少しもじもじしながら遥に答える。恵の綺麗なお弁当を見て、遥は、自分のお弁当の卵焼きが焦げている様を思い出して、慌てて食べる。遥はクラスメートの女の子が彼氏に弁当を作ってきたと、はしゃいでいたのを以前小耳に挟んで以来、こっそりと手作り弁当の練習をしていたのだった。お嬢様の遥は、人間界へ来るまで料理はあまりしたことが無かったのだが、人間界のお嬢様の恵がいつも手作りの綺麗でおいしそうな弁当を作ってくるので、彼女に一目を置いていた。

Julia_b_1.jpgイラスト:hata_hataさん 龍助もお弁当を広げ、朱里も鞄からお弁当を出そうとした。しかし、鞄の中のお弁当がやけに軽い。鞄の中をクラスメートに気付かれないように覗くと、リラが申し訳なさそうに苦笑いをして、小さくゲップをした。
「す、すまない。朱里。おいら、あまりに良い匂いだったんで、思わずうっかり食べちゃったんだ。」
 お腹をさすりながら、リラが小さい声で囁く。
「まぁ、しょうがない子ね。リラ用のお弁当も入れておいたのに、両方食べちゃうなんて。」
「どうしたの?麻宮さん。」
「リラが、うっかり私の分もお弁当を食べちゃったみたいなの。」
「う、うっかりって…。二つも…?」
 龍助と朱里がこそこそと小声で話している様子に気がついた千夏が声をかける。
「何、二人で仲良く話しているのよ?」
「あ、私の弁当、持ってくるのを忘れちゃったみたい。」
 朱里が慌てて答える。鞄の中のリラにウィンクする。リラは申し訳ないと、鞄の中でぺこりと頭を下げて反省する。

「あ、じゃ、じゃぁ、僕の弁当を半分個しよう。お箸は有るよね?」
 龍助が自分の弁当の蓋に中身を半分乗せて、弁当の本体の方を朱里に渡す。
「え、良いの?」
「うん。今日は、あんまりお腹がすいてないし。」
 龍助がそう言った瞬間、お腹がギューっと鳴る。みんなの注目を受けて龍助は真っ赤になりながら、照れくさそうに言う。
「あ、後で、パンを買うから。それも半分個しよう…。」
「ありがとう。」
 クスクスと朱里が笑う。
「なんか、龍助は朱里には優しいんだ…。」
 まだ、遥がなんだか、うらやましそうにボソッと呟いた。
「?」
 龍助が聞き漏らして、遥の方を向く。
「な、なんでもないわよ!」
 龍助が自分の事を気にしてくれた優しさがうれしかったのと、弁当を半分個にしてもらえないことに少し嫉妬しながら、素直になれずにご機嫌斜めな遥は手作り弁当を食べていた。

「リラって、ちょっぴり食いしん坊さんだったの。龍助君はとても優しかったんだよ。みんなといた時が、懐かしいなぁ…。」
 朱里は、人間界にいた時の、龍助たちや遥、クラスメートとの大切な思い出を思い出しながら、歌を口ずさんだ。その歌は、懐かしいさと優しさの中にも、何かきらめく気持ちのする[ときめき]という曲だった。龍助の携帯音楽プレイヤーで時々聞いていた曲だった。

「伝えること難しいよ
素直にまだなれないから

迷っては 心揺れている
あなたへの この想い
ずっと抱きしめたまま...」

 龍助のことを思い出しながら、机の上に飾ってある彼がプレゼントしてくれたブーケを見つめる。優しくμをなぜてあげながら、思い出を回想していた。

「輝かせて 描いてる夢の続きへと
ぬくもりに包まれていく
そっと側で ときめき感じて
微笑んでみる 心から」

 朱里が歌いながら、歌詞にあるように少し微笑んでみる。すると、朱里の『L'aile du coeur(心の翼)』に、淡いクリーム色系のbisqueのクリスタルが輝いた。同時に『L.D.C.』が点滅する。しかし、『L.D.C.』から声はしなかった。
「また、いつか、『L.D.C.』の中から聞こえた声の人とお話できるとうれしいのに。それにしても、このクリスタルが集まることで、一体何が起こっているのかしら。」

 耳に付けている龍助からプレゼントしてもらったイヤリングのピンクの小さな石が可愛く小さくきらめく。それに触れながら、しばらく彼女は瞳を閉じて口ずさんでいた。風が吹いて彼女の長く綺麗な髪を揺らしたが、誰も現れなかった。部屋の外には、一輪の花が置いてあった。


01_L_龍助_剣1本.jpgイラスト:hata_hataさん 龍助が、朱里にプレゼントしてもらったドラゴンの刻印の入ったブレスレットに触れながら朱里のことを思っていた。彼らは、キメラの森から砂漠の北にあるオアシスに無事辿り着き、夕食の支度をしていた。
 少し真剣な表情をしている龍助に気付いたアルが彼に声をかける。
「もっと気楽に行こーよ♪」
「あんたは、気楽過ぎ!でも龍助は少し休んだ方が良いよ。大丈夫?」
 すぐに遥が龍助を気遣って口を挟んだ。
「あ、ごめん。僕も何か手伝わないと。なんか、とろくてごめんね。」
「大丈夫だ。リラとリコが手伝ってくれているから。お、そうだ、遥、龍助と一緒に水を汲んできてくれ。料理は俺達一人と二匹でやっておくから。」
 オアシスの周辺で採れたハーブや木の実,その他食べれるものをディクセンオールで調達していた食料などと組み合わせて、アルが手際よく料理をこなす。水は十分補給できていたのだが、龍助と遥の旅の疲れ具合を見て、少し息抜きをさせてやる必要があると感じたからだった。


 調理していた場所から十数メートル離れた湖のほとりで、キメラのメイラスとメイヨウは手綱等を外してもらった状態で放してもらっていた。二匹は大人しく寄り添って眠っていた。
 起こさないように、静かに龍助と遥が水を入れるためのビニールの簡易バケツを持って歩く。ほとりで龍助が水を汲む。遥は湖の清水で顔を洗う。水温はあまり低くないのだが、水属性の癒し系の魔法が少し成分に含まれているようで、触れるだけでも少し癒される。
「気持ち良い~。龍助、あんたも顔洗ってみなさいよ。気分がすきっとするよ。」
 明るく微笑む遥を見ながら、龍助も優しく微笑む。
「そうだね。」
 遥の近くへ来て顔を洗おうとした瞬間、龍助はふら、っと急に力が抜けて、遥に覆いかぶさるようにして倒れた。そのまま、二人とも泉の中に落ちた。

「ちょ、ちょっと、龍助、大丈夫?」
「あ、ご、ごめんね。何だか、疲れちゃったみたい。リラとのre-writeは、まだ体力をすごく消耗するんだ。緊張のし過ぎというのもあるんだけど。顔洗うどころか、水浴びになっちゃったね。」
 浅瀬だったので、龍助を岩にもたれさせて、二人とも水に浸かったまましばらく空を眺めていた。

「しょうがないなぁ。龍助も、慣れない旅の疲れが溜まっているんだよ。でも、なんとか、ここまで来たね。」
「うん。ここまで来た。まだ、ここまでかもしれないけど。先を考えるととても怖くなる時があるんだ。ちゃんと助け出せるのか、そして、もし助け出せたとしても朱里が僕達と帰ってくれるのか、って。」
「大丈夫だよ。あたしがちゃんと朱里に会わせてあげるから。それからは、あんたがしっかりあの子の心をギュッとハグしてあげなさい。」
「僕が、遥ちゃんや朱里を守って光のところへみんなで帰ると決めたんだ。でも、未だに遥ちゃんやアルのお荷物状態だ。もっとがんばらなくっちゃ…。」
「十分がんばっているよ。龍助は…。」
 遥は、そっと龍助に寄り添った。龍助は疲れきって寝息を立てていた。しばらくの間、湖に浸かったまま、二人は旅の疲れを癒したのだった。


 その頃、料理をつまみ食いしていたアルがリコとリラに怒られていた。
 そして、彼らの動きを数十メートル先に遥が張ってあった結界の外から偵察している影があった。

to be continued...

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イラスト:hata_hataさん

第一部 (人間界編)

■Episode 001:

♪:[blue]

■Episode 002:

♪:[light pink -I love you.-]

■Episode 003:

♪:[nu.ku.mo.ri.]

■Episode 004:

♪:[real]

■Episode 005:

♪:[color]

■Episode 006:

♪:[my wings]

■Episode 007:

♪:[I'll be there soon.(すぐ行くよ)]

■Episode 008:

♪:[promise]

Aile_03_non_back_100.png

イラスト:hata_hataさん

第二部 (魔界編)

第三部 (人間界編)

■Episode 017:

♪:[ドキ×2]

■Episode 018:

♪:[let it go!!]

■Episode 019:

♪:[N]

■Episode 020:

♪:[tears in love]
♪:[destiny]

■Episode 021:

♪:[Touch to your heart!]
♪:[you and me]

■Episode 022:

♪:[Happy Happy Love]

■Episode 023:

♪:[INFINITY]

■Episode 024:

♪:[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]

■Episode 025:

♪:[pain]

Elle_01_non_back_100.png

イラスト:hata_hataさん

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(楽曲:shin イラスト:hata_hata様)

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麻宮朱里(普段着姿)

イラスト:hata_hataさん