L.D.C. Episode 021b of shin web

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Episode 021
海へ出かけよう!(中編)

music:[Touch to your heart!]

DSC01979のコピー5.jpg

前回までの『L.D.C.』

LDC02_100_non_back.png 人間界で生活をしていた南龍助は、魔界から来た少女、麻宮朱里と出会う。そして、一度は魔界に二人は引き離されたのだが、仲間と共に魔界を旅して立ち向かい彼女を取り戻し、再び人間界で夢を追いかけることになった。

 そんなある日、光の計画でクラスメートを誘って街の東にある海へ遊びに行くことになる。朱里と遥と由依は水着を購入して準備完了。

 暑い夏の日差しを受けて若者達はそれぞれの想いを胸に青空の下で元気に走り出そうとしていた...。

02_a.jpgイラスト:hata_hataさん「うぉー、海だ!!!」
 青い空が遠くまで広がり、夏の輝く太陽の下で龍助達は街の東にある海へ遊びに来た。
 光が計画し、せっかくだから龍助達だけでなく、親しいクラスメートも誘ってみんなで楽しもうということになり、海の見える浜の入り口で集合したのだった。
「えっと、みんな揃ったかな?誰か忘れてへんか?」
 祐二が名前を呼んでいく。
「一色さん,朱里ちゃん,由依ちゃん,恵ちゃん,千夏。後は、わいと野郎共と桃組み1名。以上!」
「なんであたし以外の女の子達は『ちゃん』や『さん』付けなのに、あたしだけ呼び捨てなのよ!それに、だいたいあんたここに呼ばれてないでしょう?あたしが誘ってあげたから来れたようなもんじゃないの。ありがたいと思って、せめて、ちゃんと確認しなさいよね。」
「なんや、千夏はやきもちか?やかない、やかない。焼くのは夏の日差しで肌を。」
「馬鹿!」
 ガツンと千夏に殴られてたんこぶを作った祐二を苦笑いしながら、光がメンバーを確認する。
「女性陣は一色,朱里,由依ちゃん,恵,千夏の5名。男性陣は祐二先輩,龍助,実,武司と俺の5名。それから、リラとリコ。」
「リラとリコ?」
 メガネに右手をやりながら武司が尋ねる。
「あぁ、一色が持ってきている縫いぐるみがリコ。由依ちゃんが尻尾を持って振り回している縫いぐるみがリラだ。」
08-01.jpgイラスト:hata_hataさん 縫いぐるみのふりをしているリラに光がウィンクをする。由依がリラを見せるために抱きかかえて武司に見せる。
「りらだよ!」
「…可愛いね。…リラちゃんとリコちゃんって言うんだ…。……可愛い…。」
 引っ込み思案の恵がリコとリラに興味を示して言う。遥がにっこりして恵に縫いぐるみのふりをしているリコを貸してあげると、うれしそうに抱きしめてにっこり微笑む。
「…ありがとう…。遥ちゃん…。」
「うん。あたしの大切なパートナーだから大切にしてね。」

 遥と恵はお嬢様同士、仲が良い。今日は、なにやら朝早くお弁当作りを二人でした様で大きなバスケット二つに一杯のご馳走を持ってきていた。千夏の命令で、裕二がバスケットの一つを持ち、もう一つは光が利き手と違う左手で持つ。
「遥ちゃんと恵ちゃんの手作りのご馳走も楽しみね。」
 朱里が遥達が作ってきたご馳走の入ったバスケットを見ながら遥に言う。
「朱里も作ってきたんでしょう?」
 遥が朱里に聞き返すと、由依がリラを抱いたまま遥の前に走ってくる。
「うん。ゆいがおてつだいした。りゅうすけとりらも。おいしいよ。」
 うれしそうにリラを振り回しながら、由依が朱里達のお手伝いをしたことをアピールする。「おいしいよ。」という言葉で、由依とリラがお弁当を作りながら、つまみ食いをしていたことが想像できた。
「そ、そう。作っている時に味見もしたのね。由依ちゃんは何を作ったの?」
「おにぎり。じゅりとりゅうすけままが、たこさんういんなーや、はんばーぐや、たまごやき、つくってくれたよ。いっぱいあるよ。」
 目を回しているリラの尻尾を右手でぶら下げるように持って、左手で数えながら由依が答える。
「由依ちゃんのお手伝いしたお弁当も楽しみね。後でみんなで食べましょう。」
「実君がフルーツを持って来てくれているし、飲み物は男の子達が用意してくれたから楽しいランチになりそうね。千夏ちゃんは親戚から貰ったスイカを持ってきてくれたから、スイカ割りというのをしようって言っていたわ。ドキドキするわね。」
 由依の頭を優しくなぜてあげながら朱里が恵の方を見る。
「…うん…。」
 恵も小さくうなずく。


 浜辺の海の家の更衣室で、朱里達は水着に着替える。
「おまたせ。それでは、水着のお披露目だよ。」
04_b-nonname-s.jpgイラスト:hata_hataさん 朱里達がそれぞれの水着姿で男性陣の前に登場する。由依を先頭に、朱里と千夏が更衣室から出てくる。遥と恵が少し恥ずかしそうに後ろから出てくる。
「ど、どうかな?」
「うぉ……。」
 水着姿の彼女達を見て男性陣のため息がもれる。実が彼女達のファッションチェックをする。
06_b-nonname-s.jpgイラスト:hata_hataさん「綺麗じゃないの。朱里ちゃんはスタイルが良いから悩殺ビキニね。遥も朱里に負けないけどおしゃれな腰元のパレオでセンスを感じるわね。そして、由依ちゃんも恵ちゃんも可愛いじゃない。千夏は相変わらずクールでスポーティー。みんな気合が入ってる。200点満点ね。光様?」
 遥の水着姿に見とれていた光が、はっとする。遥と光の目が合って、二人が少しドキッとする。
「あ、ああ!綺麗だ。なぁ、龍助?」
「う、うん。ちょっと目のやり場に困っちゃうぐらいみんな綺麗だね。」
 朱里や遥の水着姿に照れくさそうに少々落ち着かない龍助を見ながら、裕二が笑う。
「なんやなんや、光は一色さんに、龍助は朱里ちゃんに悩殺されたか。これやから子供は。夏の海はええのう。大人なわいはすごーく目の保養になりました。」
「一学年上のあんたがいつも一番子供っぽいでしょう!」
 千夏が裕二の頭に拳骨を食らわす。
「痛いなぁ。千夏はん、殴らんでも。千夏の水着姿もなかなかだよ。」
「え?あ、あたしのことはどうでも良いの。」
 予期せぬ裕二の褒め言葉に地珍しく千夏が真っ赤になる。それを見てみんなが笑う。


「それでは、あっちに見える砂浜の木の木陰のところまで、競争だ!Ready~?」
 光が400mほど先に見える浜辺に生える木を指差して言う。
「Go!!」
 みんなで走り出す。ちょうど浜辺の海の家のスピーカーから流れていた音楽が[Touch to your heart!]に替わった。

「眩しい日差しに 負けないくらい
輝きながら あの場所まで駆け出そう!

砂浜がキラキラと煌いて
寄せる波音 鼓動が高まっていく」

 先頭は運動神経の良い光。続いて、ラクロス部の部長の千夏。そして、遥がすぐ後ろを走っている。実,龍助,朱里と由依,バスケットとスイカを持たされた裕二が息切れをしながら追いかけている。
 明るく眩しい日差しを受けて輝く彼らを見ながら、恵と武司がゆっくり歩く。
「…た、武司君は…。…走らないの…?」
「あぁ。僕は彼らの様に馬鹿みたいに、はしゃげない。」
「…楽しくないの?」
 もじもじしながらも恵が珍しく積極的に話しかける。遥が弁当を作りながら葉っぱをかけていたからだ。
「そんなことないけど…。あっ。」
 たまに学校の屋上での龍助達のランチへ武司も顔を出す様になったのだが、いつも側に恵がいてくれたことが頭をよぎる。走り出さない武司を独りにしないように恵が気を使って残ってくれたことを察した。
「まぁ、たまには、裕二先輩や龍助を見習ってみるのも悪くないかも。貸して。」
 武司は水筒とリュックを右肩に背負って、恵の持っていた鞄を右手に持つと、恵に微笑む。恵の右手を武司が左手で繋ぐとこう言った。
「さぁ、行こうか?」
「うん。」
 恵が頬をピンクに染めながらうなずくと、二人で走り出した。心地よい風が音楽と共に二人を包む。

「今しか出来ないことがあるよ
両手を広げ さぁ体中で感じて

Touch to your heart!
青い海へ みんなで飛び込もうよ
Touch to your heart!
伝えたいあなたへの想い 届け!」


 はぁはぁ、肩で息をしながら裕二が最後に木陰に到着する。
「裕二さんは最後だったから、罰として、後で罰ゲーム決定!」
「結局、わいがびりか。歳なんだからもっといたわって。ほんまに。」
 荷物を置いてぐったり座り込む裕二に千夏が冷たい飲み物を持ってきてあげる。
「あんたは運動不足なのよ。あたし達はラクロス部で運動してるし、実はドラムの練習で体力つけるためのトレーニングをしているみたいよ。龍助も部活で付き添って。光はテニス部で期待の星だし。」
「ほんまあかんな。勉強ばっかしていると。武司とわいは。」
 裕二の話が聞こえて武司が指摘する。
「僕はジムに通って運動しています。健康管理も学問をするために必要ですから。」
「だって。」
 千夏と武司が笑うと、裕次ががっくり肩を落とす。恵もくすくす笑う。

「じゃぁ、荷物の番にお疲れの裕二さんに任せて、龍助、海に入ろうぜ!」
 光がレジャーシートを広げて場所を確保してから声をかける。
「遥ちゃんも、麻宮さんも、由依ちゃんも、みんなも、行こう。」
 振り返って龍助もみんなを誘う。由依がリラを抱えたままワクワクそわそわしながら朱里の前で何度かジャンプする。
「じゅり、はやくいこう。」
「そうね。千夏ちゃんも恵ちゃんも行こう!」
「うん。…武司君も。」
 恵は武司に声をかける。その姿を見て遥がほほえましく思い、恵の勇気を相変わらず恋に奥手な遥自身にも分けてもらいたいと思った。武司が返事をして、リュックを裕二の前にそっと置いて言う。
「あぁ。裕次先輩、荷物、頼みます。僕のノートパソコンも鞄に入っているので。」

 みんなで波打ち際へ走り出した瞬間、大きな声がする。
「ちょーっとまーった!!!」
 その声は実だった。光が振り返る。
「なんだよ?実。」
「みなさま、何か忘れてない?」
 一同が頭をかしげる。
「え?なんだ?サーフボードは後でそこの海の家のボードをレンタルするから持ってきてないんだ。」
「ちがう!!準備運動よ!!だめね。みんな。」
 実の意見に、みんなが忘れていたことを納得する。
「そうだね。念のためにちゃんと準備運動しておこうよ。実君の言う通りだね。まるで部活の前の体力トレーニングの時みたいだけど。」
「じゃぁ、実君の周りに円になって準備運動しましょう。」
 龍助の横で由依と手を繋いでいた朱里が賛成する。

 そして、実オリジナルの準備運動をこなした後で実がにっこりして言う。
「さぁ、青い海が待ってるわよ!みんなで飛び込むわよ!」
 一斉に龍助達が海へ駆け出して飛び込む。由依に尻尾をつかまれたリラは泳ぎが苦手なので、真っ青になって怯えるが、縫いぐるみのふりをしている最中だったので遭えなく海に飛び込まされる羽目になった。
 しばらく、みんなで泳いだり水を掛け合ったりして遊ぶ。浜辺でその姿を見ている裕二の更に後方の木陰である女性が朱里達を見つめていた。

 海から上がると、千夏お勧めのアイスを買いに女の子達が揃って、側にある海の家のカフェ風のお店へ行く。街で最近噂のアイスのチェーン店だった。
 帰ってきた彼女達の手にはそれぞれカラフルなアイスが三段になっていた。
03_a-s.jpgイラスト:hata_hataさん「ここからの海の眺めは良いわね。心が洗われる様でとても気持ちが良いわ。」
 遥がアイスを左手に持って、右手で海の方を眺めるようなポーズを取る。すると朱里が遥の真似をして同じポーズを取ると、由依も彼女達の間で同じポーズを取る。
 その様子を龍助は見惚れていた。彼女達の髪は風に揺れながら、時折、水着が日差しに照らされて、オレンジ色に輝いて見えた。

 サーフボードをレンタルしてきた光が彼女達に気付く。
「おお、アイス、美味しそうじゃないか。俺たちも後で買いに行こうぜ。俺はちょっとサーフィンしてくるわ。」
 サーフボードを持って光が海へ繰り出していく。
「うん、無理しないでね。それは何味なの?麻宮さん。」
 まだぎこちない口調で龍助が、朱里に尋ねる。朱里もぎこちなかったが、龍助が優しく声をかけてくれたことをうれしく感じる。
02_b-s.jpgイラスト:hata_hataさん「私はストロベリー,ライム,ミントを選んだの。」
 朱里のチョイスは見た目もカラフルで味も甘さも爽やかさも楽しめる。
「ゆいはね、ゆいわね!ちょこ,ばにら、すろとべりーだよ!」
 由依はお子様らしい可愛いチョイス。『ストロベリー』を上手く言えずに、『すろとべりー』と言っているのに気が付いたが、彼女達と一緒に三段のアイスを買ってもらってご機嫌な由依の姿を見て龍助が微笑む。
 つんとしている遥にも龍助が聞く。
「遥ちゃんは?」
「レモン,抹茶,ミントよ。」
 水着姿の遥が少しドキドキしながら答えると、龍助は二段目の抹茶アイスを見ながら言った。
「そうなんだ。抹茶アイスを選ぶとは遥ちゃんも意外に渋いね。でも抹茶味も美味しいよね。僕は何にしようかな。」

05_b-nonname-s.jpgイラスト:hata_hataさん 由依がアイスクリームを買いに行く時に木陰へ置いてきた縫いぐるみのふりをしているリラとリコを指差して言う。
「りらとりこにもあいすわけてあげよう。」
「優しいね。由依ちゃんは。あたしの適応魔法の応用で一時的にこの浜辺にいる人達がリラやリコが動いても驚かないようにするわ。普段は、なるべく必要最低限の魔法しか使わないようにしているんだけど、今日ぐらいは良いわよね。ディアブロ様も分かってくださると思うわ。」
 遥が魔法を唱える。すると、周辺の人間の記憶を差し替えて、リラとリコの存在を見ても驚かない状態になった。武司にも今回は適応されたようだった。
「ぷふぁー!縫いぐるみのふりも大変だぞ!肩が凝った。」
 リラが背伸びをしながら小さな翼でパタパタ飛びながら龍助の頭に停まる。
「リコも良い子にしていたわね。アイスを一緒に食べましょうね。」
「ハイですの。」
 遥が木陰にリコと座る。

「りらはゆいのをあげるから、じゅりはりゅうすけにわけてあげてね。」
 突然の由依の提案に龍助が遠慮する。
「え、僕は後で買うから良いよ。」
「いいの。りゅうすけはじゅりとなかよくわけっこするの。じゅりがりゅうすけといっしょにたべるためにえらんだんだから。」
 由依が朱里と龍助のことを気遣ってウィンクをする。しかし、慣れないので、片目を瞑った後でもう片方の目も瞑ってしまう様だ。龍助が照れくさそうに赤くなる。朱里も由依にばらされてしまって同じ様に赤くなる。
「よ、良かったら、龍助君も一緒に食べる?どれが良い?」
「う、うん。じゃぁ、ライムを。先に麻宮さんがストロベリーを食べて。」
 龍助と朱里が一緒に座ってアイスを食べる。
「それでよし。ゆいとりらもなかよくわけっこしようね。」
「で、おいらはどれを食べてよいの?そうだ、全部半分個しよう。3種類の味を楽しめるし。」
 楽しく由依たちもアイスを食べる。リラも由依も口元はアイスでべたべただったので、朱里がハンカチで拭いてあげたのだった。


 木陰で遥が座って海を眺めつつ[touch to your heart!]を口ずさみながらリコを膝に乗せてあげる。

「お気に入りの水着でおしゃれして
今日の私はあなたにとってどうかな…?」

 朱里達と水着を買いに行った時に少し背伸びをして大胆な水着を選んだのだが、遥は龍助にとってどう感じたのか気になっていた。
 リコに先にアイスをあげて抹茶アイスを食べようとした時に、海でサーフィンをしている光の姿が遥の瞳に入る。リコは光のサーフィンに見惚れていた。
「光様、サーフィンもこなされるのですね。ぽっ。」
「そうね。佐伯君は、スポーツ万能みたいだから。さっき聞いたんだけど亡くなったお兄さんに昔、教えてもらったんだって。お兄さんのことが大好きだったみたい。そう言えば、佐伯君がR.と初めて会った時にお兄さんと勘違いしていたことがあったわね。」
 ボードを上手く操りながら、波を乗り回す光を目で追う。一際大きめの波に乗って光がボードの上に立った。少しバランスを崩して波に飲まれる。だが、諦めずに再びボードの上に身体を乗せて手で漕ぎながら、次の大きめの波へ向かっていく。
「一色、見てろ!」
 大きな声で光が叫ぶ。ボードにかがんで立ち、波を読みながらバランスをとって力強く立ち上がる。波のアーチを滑るようにしてサーフィンしている光は輝いていた。
 遥が歌の続きを口ずさむ。
「波をボードで捉えた時に
あなたが見せた輝く瞳に魅かれて…。」
 その時、偶然、光と目線が合う。遥の心の奥で何かを感じてドキッとする。光へ感じた想いをどうしたらよいのか分からずにぼーっとしている遥の様子にリコが気が付いて、優しく寄り添って包み込むように歌う。

「Touch to your heart!
青い海で 思い出作りたいね
Touch to your heart!
まだまだこの夏はこれからだよね♪」


 アイスクリームをいち早く食べ終えたリラと由依が砂浜へ駆け出して遊んでいると、由依がスコップで土を固めながらリラに言う。
「おとなしくここにたっていて。りらをへんしんさせてあげるから。」
「え、本当か!おいらかっこ良いドラゴンにして欲しいぞ。」
「がんばってみる。」
 由依がにこっとしてリラの周りに土を固めていく。初めはドラゴンの形を作っていたのだが、なかなか上手くいかない様だ。そのうちリラは温かい土で覆われて立ったまま眠くなり、うつらうつらとする。由依がちょぴりふくれっ面になるが、龍助と仲良くアイスを食べている朱里を見て、いたずらっ子ぽくにんまりとする。
s03-e2.jpgイラスト:hata_hataさん「できたよ。りらおきて。」
 眠ってしまっていたリラが目を覚ますと、なんと顔から下は土で覆われた水着姿に変身させられていたのだった。
「うぉ、こ、これは、なんなんだ!!朱里と同じビキニ姿じゃないか。おいらは男の子だぞ。それにおいらはこんな出べそじゃないし…。それから、これは朱里の様にナイススタイルでもない気が…。もう少しダイエットが必要かも…。とほほ…。」
 その姿を遠くから朱里と龍助が見ながら笑っていたのだった。


 しばらくすると太陽がより高く昇り、ランチタイムになった。
「すげー!!!」
「これ、恵ちゃんと一色さんで作ったのか?」
「すごいわね。」
 遥と恵が作ってきたご馳走が並ぶ。バケットパンのサンドイッチや、手の込んだお洒落な洋食がカラフルに揃えられていた。普段からお弁当で練習をしてきた遥達の成果である。
「ゆいのもたべてね。」
 由依が朱里達と作ってきたお弁当も並べる。おにぎり,ハンバーグ,タコさんウィンナー,厚焼き玉子,煮物等が入っている。色んな動物の形に見えるようにそれぞれが工夫されており、まるで動物園の様に楽しい演出だった。おにぎりのサイズが大きいのと小さいのがあるのだが、おそらく小さいのは由依とリラが握ったものであろう。
「あたいのフルーツバスケットも美味しいわよ。是非、光様に食べて欲しくて心をこめて作ってまいりました。」
 実が持ってきたフルーツは綺麗にカットされて飾られており、彼の几帳面さが出ていた。プラスチックのカップに特製のジュースと入れるとカラフルなフルーツポンチとして楽しめるようになっている。
「お、おう。サンキュな。デザートとして頂く。」

 取り皿と割り箸やスプーン,プラスチックのカップにジュースやお茶がいきわたったことを確認して、光がカップを持って立ち上がる。
「恵や一色や由依ちゃんや朱里達の手料理や実のフルーツの準備ありがとう。千夏のスイカは食後の罰ゲームでスイカ割りが待っているから楽しみに。それでは、頂きます!」
 みんながカップを持ち上げて続く。
「頂きまーす!!!」

 それぞれが取り皿にランチを取りながら楽しそうに選んでいる。その端っこで大人しくしているリラがよだれを拭きながらリコに話しかける。
「おお、おいら達もこれを食べて大丈夫なのか?」
「先ほど遥様が適応魔法の応用を掛けてくださったから、遥様のお友達も記憶置換されているので今の間は私達も普通に動いても大丈夫ですわ。でも、程ほどにしておかないと、食べすぎでお腹を壊さない程度に。」
 リコが側にいるので、目の前に並ぶご馳走に飛びつきそうになるのをぐっと押さえているリラの様子を見ながら、朱里がくすくす笑う。
「そうだね。リラとリコちゃんには私が取り皿に取ってあげるから、食べたいものを言ってね。どれが良いかしら?」
 朱里が優しく声をかけてあげる。
「まずは、朱里のミートボールとタコさんウィンナーと遥のサンドイッチ。うーん、それにしれもどれも美味しそうで全種類食べたいぞ。」
「あら、リラは相変わらず食いしん坊さんね。沢山あるから慌てないでゆっくり食べようね。リコちゃんは、何を取ろうか?」
re-call-b-02wakunasi.jpgイラスト:hata_hataさん「私はサラダと、由依ちゃんのおにぎりをお願いしますですの。リラにも隣の小さいのをあげてくださいませ。」
 可愛くお辞儀をしてリコがお願いする。小さなおにぎりには一つだけ赤い小さな梅干がちょこんと乗せてあるものがあり、海苔を切ってリコの顔を作っているものがあった。隣にはリラの形になっている小さなおにぎりもあった。由依が海苔をはさみで工作をするように切って作ったのだった。
「リコちゃんのおにぎりには焼きたらこのマヨネーズ和えが入っていて美味しいよ。リラのおにぎりは昆布。由依ちゃん、良かったね。リコちゃんが食べてくれるって。」
「由依ちゃん、ありがとうございますですの。」
 由依がうれしそうに頭を振りがらリコに言う。
「うん。どうぞめしあがれ。」
 うれしそうに尻尾を振りながら取り皿に取って貰ったご馳走をリコとリラが並んで食べた。

 武司が恵の分のお茶を注いであげる。
「…。ありがとう…。」
 それを見て恵が慌てて頭を下げる。武司がおかずを取り皿に取りながら話す。
「松本さんの料理は美味しいよ。それにしてもバイキング状態で、久々に楽しい食事ができた。両親が共働きだから、家ではいつも一人で食べることが多いんだ。」
「…そうなんだ…。」
halcari_b1.jpgイラスト:hata_hataさん 一生懸命作ってきた料理を武司に気に入ってもらえて、恵もうれしそうだった。少し離れた所でフルーツポンチを作りながら遥が二人を見ていて、ちょっぴりうらやましく感じていた。すると光が側にやって来た。
「お、一色もフルーツポンチか。実のフルーツポンチも結構美味しいぞ。俺も作ろう。」
「あ、佐伯君はさっきサーフィン上手だったわね。」
 少し光のサーフィンの時の輝いた瞳を思い出して赤くなる。
「まだまだだよ。兄貴の様に海と一体になって上手く波とダンスできると良いんだけど。」
「ダンス?」
 遥がフルーツポンチのジュースを入れるお玉を手渡しながら尋ねる。
「あぁ、ダンスっておかしいだろう。俺も亡くなった兄貴から昔聞いた時は、サーフィンなんだからダンスじゃないだろう、って思ったんだけど、実際に滑ってみるとなんとなく分かるような気もするんだ。波は、決まった動きはしないから。相手の動きに合わせて、時にはリードしたりしながら、バランスを取っていくんだ。そう考えると大自然とのダンスなのかも。」
 海の波を眺めながら光が語る。

「大自然とのダンスか…。あたし達の魔法も似た様な要素があるかも。天候や地形等の地理的条件によっても左右されるし、相手の属性によっても。あ、ごめん。今は魔界のことよりも、海を満喫しないと。」
「満喫といえば、美味しい一色の手料理もな。とっても美味いぞ。珍しい料理もあって俺は食べ慣れていないので、初めはどうやって食べるのかドギマギしたのは、みんなには内緒だけど。」
 二人は笑った。少し遥の緊張もほぐれた様だった。その斜め前で遥達の料理を堪能しながら裕二が言う。
「一色さんの手料理を食べれるとは、わいも生きてて良かった~。朱里ちゃんの料理も絶品や。千夏ももうちょっと一色さんを見習ってやな…痛い。」
 裕二の言葉に千夏がむすっとして、耳をひねる。それを見ながら、実が祈るような仕草をしながら呟く。
「この後に行われる罰ゲームのスイカ割りの前の最後の晩餐かも…。アーメン。」

to be continued...

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第一部 (人間界編)

■Episode 001:

♪:[blue]

■Episode 002:

♪:[light pink -I love you.-]

■Episode 003:

♪:[nu.ku.mo.ri.]

■Episode 004:

♪:[real]

■Episode 005:

♪:[color]

■Episode 006:

♪:[my wings]

■Episode 007:

♪:[I'll be there soon.(すぐ行くよ)]

■Episode 008:

♪:[promise]

Aile_03_non_back_100.png

イラスト:hata_hataさん

第二部 (魔界編)

第三部 (人間界編)

■Episode 017:

♪:[ドキ×2]

■Episode 018:

♪:[let it go!!]

■Episode 019:

♪:[N]

■Episode 020:

♪:[tears in love]
♪:[destiny]

■Episode 021:

♪:[Touch to your heart!]
♪:[you and me]

■Episode 022:

♪:[Happy Happy Love]

■Episode 023:

♪:[INFINITY]

■Episode 024:

♪:[さぁ、行くよ! \(@^▽^@)/♪]

■Episode 025:

♪:[pain]

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イラスト:hata_hataさん

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